東京大学史料編纂所

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研究種目名 基盤研究(C)
研究課題名 地方寺院に伝来した中世聖教に関する史料学的研究(24520738)
研究期間 2012年度~2014年度
研究代表者 厚谷 和雄
研究目的 真言密教の附法に際して、師資の間に弟子の修得を証明する目的で発給される文書に印信がある。この師匠より弟子への伝法に際して集積された、密教修学の精髄・成果が聖教である。潅頂に際しては、印信の外に口決や聖教とその目録などが添えられる場合がある。小野・広沢の野沢十二流を根本として、中世以降三十六流あるいは七十余流の諸法流に分化した東密に於いては、その法流ごとに印信や修学を要する聖教に差異が設けられることとなった。本研究は、中世地方寺院に伝来した聖教類として質・量ともに優れた中世聖教群と評価できる萩原寺(香川県観音寺市)所蔵地蔵院聖教を素材として、その本来あるべき所伝の姿への復元のための中世地方寺院所蔵聖教に関する史料学を新たに構築しようとするものである。
研究実績の概要
  • 2014年度
  • 2013年度
  • 2012年度
【2014年度】
本年度における研究の概要は、以下の通りである。
①萩原寺への出張調査・撮影:本年度は年2回の調査を実施し、印信類につ いて精細な原本調査を行うとともに、撮影の前提作業となる江戸時代までの 聖教類についての再整理作業及び安土桃山時代聖教のデジタル撮影を完了し た。なお、再整理作業の完了に伴い改めて同寺経蔵内を再調査したところ、 経蔵2階西側の江戸時代版本類を収める倹貪箱7箱の中に、目録収載対象と なる聖教2箱分を新たに発見するに到った。このための追加調査ならびに補 充撮影を行う必要が生じ、研究費の繰越を申請するに到った。
②調書データの入力・校正:本年度も継続して、既存調書及び再整理作業に 伴う補充調査の成果に基づき寸法・紙質等の入力を行うとともに、印信類に ついての原本調査の結果をデータベースに反映させ、これを先行科研および 本研究によって撮影したデジタル画像による確認作業を行った。
③目録原稿の作成:聖教類のデジタル撮影と調書データ入力の進捗に併せて 室町時代後期までの目録原稿を作成した。
④中世萩原寺聖教の史料学的研究:調書データの中から真恵授受の印信類を 抽出し、原本調査の成果とデジタル画像との照合によって、内容・形態(法 量・料紙・筆蹟など)を仔細に比較検討し、これを印信データベースに反映 させるとともに既刊流布の印信集所載印信類の入力を行った。
備考