東京大学史料編纂所

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研究種目名 若手研究(スタートアップ)
研究課題名 中世後期日明関係の展開と構造に関する基礎的研究―入明記の史料学的検討を中心に (18820008)
研究期間 平成18年度~平成19年度
研究代表者 須田牧子
研究実績の概要

  • 2007年度
  • 2006年度
本年度においては、第一に、昨年度に引き続き、入明記諸本の検索を行ない、可能であれば原本調査を行なうとともに、その写真を入手し、伝来を含めた書誌情報の確定に努めた。この作業の結果、入明記の悉皆調査はほぼ完了し、良質な写真の入手あるいは撮影についても、修理中・貸出中であったものを除いては完了することができた。第二に、『笑雲瑞訢入明記』(1453年に明に渡った遣明船の記録)について、数種類の写本の伝来を確定し、各写本の字句の異同を全て確認のうえ、翻刻を完成させた。加えて、この翻刻の読み下しを作成し、昨年度・本年度の現地調査の成果をも盛り込んだ詳細な注釈を施した。以上の成果は解題を付し、単行本として出版すべく具体的に準備している。また本研究で得られた史料学的な成果については、「『笑雲瑞訢入明記』の書誌学的検討」と題し、2008年7月に浙江工商大学日本文化研究所で行なわれる国際シンポジウム「東アジア文化交流―人物往来」で報告予定である。第三に、日明関係に深く関与し、入明記の伝来とも関係の深い大内氏についての基礎的な研究を進め、その成果の一部を公表した。現地調査としては、まず韓国沿海部・島嶼部の日・明・朝関係史跡の踏査を行ない、また中国北京市の中国第一歴史档案舘を訪問して中国の史料保存の実態に触れるとともに、第一歴史档案館が所在する故宮の見学をし、入明記に記載される一つ一つの門・建物を詳細に確認した。これら現地調査の結果は直接的には、『笑雲瑞訢入明記』の注釈という形でまとめられ、間接的には、現在進めているほかの入明記の内容分析に活かされている。
備考