東京大学史料編纂所

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研究種目名 若手研究(B)
研究課題名 近世日本像形成過程の基礎的研究―通詞集団の視点から (18720164)
研究期間 平成18年度~平成20年度
研究代表者 木村直樹
研究実績の概要

  • 2008年度
  • 2007年度
  • 2006年度
本研究は18・19世紀に海外における日本社会像の伝達回路として重要な役割を果たした長崎の通詞集団に起点をおいて、日本社会・日本人論の日本国内での発信過程及び海外での受容過程の構造的解明を目指した。
 最終年度にあたる平成20年度は、長崎県・佐賀県・福岡県下に所在する関係史料の調査を行った。通詞の取り結んだ社会的諸関係のうち、前年度は通詞と長崎都市社会との関係性について分析を進めたのに対して、本年度は九州諸藩との関係に注目した。九州諸藩にとって、通詞集団は、海外情報や政治情報などの各種の情報の入手ルートであり、また長崎市中で各藩が政治的また経済的に活動する上で不可欠な媒介者であった。そこで本年度はその視点からの分析を深めた。特に、長崎との関係について諸史料が多く残されている佐賀藩と熊本藩に注目し、両藩の史料を中心に分析を進めた。そのために藩側の分析では、諸藩の設置した蔵屋敷の責任者たる長崎聞役の解析を行った。長崎聞役については、近世前期にいかなる理由で、どのような機能を有していたのか、その特性については必ずしも明らかではない。そこで熊本藩の事例から、同藩の聞役がいつ藩内部の制度として定着していくのかを分析し、明らかにすることができた。
本年度の研究成果を含め、本研究の三年間に及ぶ研究成果は、平成二一年 度秋に公刊予定の著書に反映させる予定となっている。
備考