東京大学史料編纂所

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研究種目名 基盤研究(C)
研究課題名 足利義満期武家政治史の研究―義満の権力確立過程の再検討を中心に―(17K13526)
研究期間 2017年度~2020年度
研究代表者 堀川 康史
研究目的  本研究計画は、同時代史料の調査・活用とそれにもとづく政治史分析を通じて、足利義満期の武家政治史、特に義満の権力確立過程の再検討を目指すものである。
研究実績の概要
  • 2018年度
  • 2017年度
【2018年度】
⑴〈足利義満による有力大名の討伐とそれによる権力確立〉という当該期 武家政治史の通説的枠組みの克服を目指し、その代表的な事例と評価されて きた応永の乱の研究を行った。ここでは九州情勢との関わりを重視する立場 から乱の推移・背景を再検討し、⒜応永の乱の背景には室町幕府の九州政策の行き詰まりがあり、大内義弘が義満の施策・態度に不信感を募らせたこと が乱の直接的な契機である、⒝応永の乱は義満権力確立の画期というよりは むしろ、その権力基盤の不安定さを露呈させた事件と位置づけるべきである、との見通しを得ることをできた。以上の成果は、二〇一九年二月に大阪 歴史学会中世史部会で口頭報告を行い、現在論文化を進めている。
⑵応永の乱と同様、足利義満の陰謀と評価されてきた今川了俊の九州探題 解任の経緯・事情に関して、「今川了俊の京都召還」と題する論文を執筆した。本論文では、研究代表者の前稿「今川了俊の探題解任と九州情勢」(『史 学雑誌』一二五編一二号、二〇一六年)で論じ残した応永二年の九州情勢を 改めて具体的に論じるとともに、九州武士の動向から了俊の「京都召還」の 実態が九州からの「敗走」であったとする新たな捉え方を提起した。本論文 は『古文書研究』八七号(二〇一九年)に掲載予定である。
⑶史料調査を進めるなかで見出した史料をもとに、鎌倉初期の出雲守護に 関する論文「鎌倉初期の出雲守護安達親長に関する一史料︱河内金剛寺所 蔵『梵網経古迹記巻下』紙背文書から︱」を執筆した。本論文は『松江市史 研究』一〇号(二〇一九年)に掲載された。その他、本研究課題に関連する 成果として、基盤研究 B 「中世後期の守護権力の構造に関する比較史料学的 研究」(研究代表者川岡勉氏)の第二回研究会(二〇一八年七月)にゲスト・スピーカーとして招かれ、「南北朝期の守護に関する諸論点」と題する研究報告を行った。  
備考