東京大学史料編纂所

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研究種目名 基盤研究(C)
研究課題名 歴史資料としての湿板写真ガラス原板の調査と研究資源化の研究(16K02994)
研究期間 2016年度~2018年度
研究代表者  谷 昭佳
研究目的  歴史資料としての湿板写真の利活用をはかるためには、ある時点での事実の直接痕跡といえる写真ネガ(原板)に残されている(イメージとしては写っていない)モノ情報をも含めたアーカイブが構築されなければならない。ガラス原板から知られる制作時の状況や製作者に関わる種々の物理的、化学的情報などを丹念に掘り起こし記録することが、湿板写真ガラス原板がもつ高精細画像の研究資源化を図るうえでの必須要件となる。
研究実績の概要
  • 2018年度
  • 2017年度
  • 2016年度
【2018年度】
前年度に引き続き 日本を記録した湿板写真ガラス原板と関連資料の悉皆的な調査により、写真 史料学的な研究の推進をはかった。最終年度は主に以下の調査研究と研究成 果の公表をおこなった。
①在外日本関係古写真資料調査・研究・報告:一八年七月、イギリス・ロ ンドン市に出張し、ヴィクトリア&アルバート博物館所蔵日本関係古写真調 査を実施した。ロシエ撮影コロジオン湿板写真ガラスネガ、サットン撮影大 阪写真、下関戦争ベアトアルバムなど、五三三カットを高精細デジタル撮影 した。ロシエ撮影コロジオン湿板写真ネガの概要を『東京大学史料編纂所附 属画像史料解析センター通信』八二号で報告した。一九年二月、フランス・ ランス市のクラフトコレクション、イタリア・ローマ市の国立文明博物館所 蔵コレクションなど、幕末・明治期の在外日本関係写真史料の調査を実施した。
②国内所在古写真史料調査 ・ 研究 ・ 展示:一八年一〇月、島霞谷関係古写 真史料(群馬県立歴史博物館寄託)、コロジオン湿板ガラス原板(四九カッ ト)・文書史料(一一三カット)の撮影・調査した。その他、東京大学史料編纂所未整理史料の菊池海荘家の古写真コレクションおよび古文書その他の 整理・撮影(八五〇カット)・調査をおこなった。一八年一〇月三〇日~一 二月二五日、東京国立博物館本館一五室における『歴史の記録』展示に協力 し、東京国立博物館との共同研究による成果として、コロジオン湿板写真ガラス原板を高精細撮影したデジタルデータから明治五年湯島聖堂博覧会関係 他の写真プリントの制作をおこなった。
③研究成果の出版・公表:ヌーシャテル民族誌学博物館(スイス・ヌーシ ャテル市)が所蔵するエメ・アンベールの日本コレクションの写真史料集 JAPAN IN EARLY PHOTOGRAPHS The Aime Humbert Collection を刊 行した。放送大学との連携番組制作に参画し、研究成果を基に「BSキャン パス ex デジタル技術で蘇る幕末・維新−東京大学史料編纂所・古写真研究 プロジェクト」(四五分×二回)を制作、一八年一〇月二一日・二八日に放 映された。BS 11 の番組制作に協力し、ブルガー&モーザーコレクションを 取り上げたBS 11 「歴史科学捜査班:古写真分析で判明   大都市・江戸 最古の姿」が、一八年一二月二四日に放映された。放送番組を通じて一般への 研究成果公表に努めた。ヴィクトリア&アルバート博物館での調査で新たに 確認した、イギリス海軍士官サットンが一八六七年に大阪市中で撮影した写真について、二〇一八年一〇月一〇日付の読売新聞朝刊文化欄で「 Osaka 周辺   幕末写真   英博物館に一七点」と題する記事で紹介された。  
備考