2025年度から新たに「史料学協創センター」が設置されました。本センターは、史料が帯びている膨大なメタ情報と編纂事業の中で蓄積してきた歴史知識情報を、融合・高度化することで、あたらしい史料学研究の確立を目指しています。異分野融合・他機関連携を前提に、史料学DXなどを積極的に展開し、協創的総合知を生み出してゆきたいと考えます。
災害の激甚化や過疎化の進行などによって、史料散逸の危機は著しく高まっています。150年にわたって史料編纂所が蓄積してきた史料学的な知識・経験を集約・可視化するのみならず、学内外の諸機関との連携を深めることで、文化財・学術資源の長期保全に向けた取り組みを強めてゆかねばなりません。将来をにらんだ有用な人材育成も急務になっています。
また既存の歴史情報処理システム(SHIPS)の高度化を図り、世界中の誰もがアクセスできるインクルーシブな環境を整えることで、本事業の総合的な成果を力強く発信・共有することも大きな課題の一つと捉えています。