[画 像]
#25(原本3−9)
二五 島津維新義弘書状
なをなを、此中御内存ともうけ給候ハヽ、此方ニてあひとゝのへ申へきも
のをと、のこりおほく存はかりに候、
かさねての御ふミくハしく見とゝけ申候、しかれハ御世つきの事、弥一郎
殿を御のそミにおほしめし候由、せんとおほせをかれ候や、其由うけ
給らす候て、とかく御返事申さす候、まことにこれハよきにあひの儀と
そんし候事に候、此ころ藤二郎とのいもうとに、ゑんちう申あわせへき
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由、少将殿よりうけ給候て、あひさたまる分に候、さりなから、ひら松
へは我らいまた申さす候、弥一郎殿へハ少将殿よりおほせわたさるへき由
候つる、又六殿世つきにハよきにあひの儀と存候間、少将殿舟もとに、
いまたしゆつ船なく御逗りう候ハヽ、まつ御内儀を申上られ候て、しか
るへく候、さ候はヽ、我らへ内儀を申候へハ、少将殿御分へつに参り候
ハヽ、よき仕合の儀に候、此ころ藤二郎とのいもうとにゑんちうあひ定
候へとも、ひら松へハいまた申さす候あひた、はやはや少将とのへ御内
儀を得られへきよし、我ら返事申たる由、御申あるへく候、さやうに候
て、御ないぎしだいくう儀へひろうあるへき儀ハ、かさねて事たるへ
きと存候、めてたくめてたく、かしこ、
「
卯月一日 より
遊の尾 御返事 惟しん」