31.春日大社所蔵史料の調査

二〇一七年一月二三日~二五日、春日大社に出張し、春日大社所蔵・旧社家寄託の春日社関係史料を調査・撮影した。松村和歌子氏には毎度のことながらお世話になった。第六十次式年造替の正遷宮を期して、宝物殿が国宝殿としてリニューアルされ、今回より前室での作業が可能となった。
 春日大社所蔵分でデジタル撮影した史料は下記である。
○『弘安五年御進発日記』(社‒二三) ※マイクロ撮影済。
○『皇年代記』断簡(書‒二三『社家筆蹟』のうち)
 ※ 重要文化財への指定にともない、本断簡一葉は『皇年代記』とともに別置となった。現状では裏打紙が残るものの、校正できるようになったので、『春日大社所蔵大東家文書目録』(二〇一二年)一〇一・二頁に掲載した翻刻を可能な範囲で修正する。「伊勢大神降」→「伊勢大神天降御」、「三月□」→「三月始」、「興□斎宮始祭神□…」→「興ス斎宮始祭、神用□□更定神地・神戸、一百生人代以埴土造鳥人□入墓、為諸陵」、「景行 □□七年」→「景行 十三年癸未」、「停結縄」→「嶋〔停脱〕結縄」、「成御鳥跡、…」→「成給鳥跡、〈諱誉田天皇、〉」。
 また当年度中にも数度、京都府立大学の横内裕人氏およびその大学院生等と合同にて、春日大社所蔵の神事日記の調査を継続して進めた。
(西田友広・林晃弘・藤原重雄)

『東京大学史料編纂所報』第52号