6.東京大学総合図書館所蔵貴重書等の調査

二〇一七年五月末に別館が竣功し、次年度より自動化書庫の運用開始が予定されているが、同八月下旬の段階において、書庫本の遡及入力は途半ばで、和漢古書類の撰り分けはなされておらず、古典籍に関わる者として不安が残る。
 前々号より覚書を掲載しており、まず訂正と関連補遺を掲げる。以下、法量単位センチメートルを省略。
 『所報』五〇(二〇一五年)六三頁、貴重書の目録概況に関し、資料整備係長木越みち氏より、広島大学附属図書館編『全国国立大学所蔵貴重図書目録』(一九七三年)のご教示を得た。同目録には東京大学所蔵分として、和漢書[A00]は個別登録の4001~6284の棒目録を掲載する。4000以前は文庫としてまとまりのあるものだが、4001以降にも穂積文庫(御成敗式目)など文庫由来の貴重書を含み、現在は6585までの番号が付与されている。不明を詫びるとともに、謝意を表す。
『所報』五〇号六四頁、剣阿筆『日本紀私抄』[A00、6410]は、史料編纂所に紙背文書を読める状態で撮影したマイクロフィルムがあり、『所報』五一号八五頁、野宮本『改元部類記』[G26、899]も撮影済である。
*以下詳細略
○愚管抄 [A00-4076]
○大記 史料編纂所蔵[4173-25]
○除目部類 史料編纂所蔵[4157-101]
○愚管抄 史料編纂所蔵[4140.1-3]
○一代要記 史料編纂所蔵[4140.1-14]
○政事要略 [A00-6073]
〇雲図鈔 [A00-4539]
〇能面図譜 [A00-4269]
(藤原重雄)

『東京大学史料編纂所報』第52号