東京大学史料編纂所

10.三重県下中近世史料調査

 二〇一五年一二月六日~一〇日、三重県下中・近世史料の調査・撮影を行った。今年度の調査地点は津市・伊賀市・伊勢市である。史料所蔵者各位および調査に立ち会われた各位、御協力いただいた学習院大学史料館、ならびに三重県環境生活部文化振興課県史編さん班にあつく御礼を申し上げたい。以下に調査先および調査・撮影史料の目録を掲げる。
三重県史編さん室 津市
藤井義昭氏所蔵文書
一、七月五日       真慧書状 一通
一、文永八年一一月二九日 三聖寺住侶等申状 一通
潮田均氏所蔵文書
一、天正八年五月六日   遊行上人書状 一通
一、天正一〇年三月    小寺職隆書状 (折紙)一通
一、天正一一年一〇月七日 小寺宗円書状 (折紙)一通
   ○右二通、巻子装一軸。
一、文禄三年九月日    豊臣秀吉書状写 (巻子装)一通一軸
一、二月一二日      酒井忠世書状 一通
一、太閤様氏郷江御成献立 一〇月五日 (続紙・巻子装)一通一軸
一、勢州度会郡駒ヶ野村検地帳写 文禄三年七月一〇日 (縦帳紙縒仮綴)一冊
伊賀市史 伊賀市
楽音寺大般若経
 伊賀市坂之下村に所在した楽音寺旧蔵の大般若経。同市坂之下区有。伊賀市史寄託。折本装。保存状況良好とは言えず、虫損・首尾欠失が多く、員数の確認も困難。伊賀市教育委員会の文化財調査票によれば五二八帖。永治元(一一四一)年・文亀元(一五〇一)年の書写奥書、文明一四(一四八二)年~明応一〇(一五〇一)年の修補奥書等が見られ、文明一三年銘の唐櫃に納める。伊賀市指定有形文化財(書跡)。稲城信子「三重県上野市坂之下区有(同市・楽音寺旧蔵)大般若経について」(元興寺文化財研究所編『元興寺文化財研究所創立三十周年記念誌』一九九七年)参照。前年度に引き続き、全巻の書誌事項調査、表紙・巻首・巻末の撮影を行っており、次年度以降も継続調査の予定。
伊勢市朝熊町自治会 伊勢市
伊勢市朝熊町有文書
 朝熊町伝来の文書。永正五(一五〇八)年を最古とし、総数は約五万点。三重県史と伊勢市史との合同調査による『三重県史資料調査報告書二五・伊勢市史史料調査報告書 三重県伊勢市朝熊町有文書調査報告書 上・下巻』(二〇一二年三月)が刊行されており、元和期以前の文書は、『三重県史 資料編 中世2』(二〇〇五年)および『三重県史資料叢書6 資料編 中世2 補遺Ⅰ』(二〇一二年)に翻刻紹介されている。二〇一三年度の予備調査を踏まえ、前年度に引き続き、元和期以前と思しき文書を対象として、前掲『調査報告書』の史料番号順に調査・撮影を行った。
(山家浩樹・末柄豊・渡邉正男)


『東京大学史料編纂所報』第51号