日本史の森をゆく─史料が語るとっておきの四二話

史料編纂所に所属する教員はそれぞれの関心にしたがって研究テーマを もっている。各自のテーマは、本所要覧の各研究部門紹介、年次の所報の「所 員研究活動」、本所ホームページの教員紹介にも記載されている。本書は、
教員が自由意思に基づいて、それぞれに追及している研究を、一般読者にわ
かりやすく伝えることによって、史料編纂所の研究活動の一端を社会に広く
紹介することを目的として刊行したものである。執筆者は所内で希望者を募
り、希望者全員が執筆することとした。内容は、既発表のものをアレンジし
たものであるか、未発表のものであるかは問わないが、現在、最も一般読者
に対して伝えたい内容を書いてもらうこととした。
集まった原稿は四二編であり、編集小委員会にて史料論、対外関係論、公 家社会論、武家社会論、村落・都市論に大別し、それぞれ「文書を読む、と いうこと」、「海を越えて」、「雲の上にも諸事ありき」、「武芸ばかりが道には あらず」、「村の声、町の声を聞く」の五つの章を設け、さらに巻頭に所長執 筆の「はじめに」、巻末に編集小委員会執筆の「編集後記」付した。
刊行にあたっては、中央公論新社編集部並木光晴氏、藤吉亮平氏より全体 構成、文字・数字の点検、タイトル案などの全般にわたって協力を得た。記 して謝意を表したい。なお、編集小委員会は稲田奈津子、榎原雅治、鴨川達夫、保谷徹である。
(全二四〇頁、本体価格八〇〇円、中央公論新社刊)

『東京大学史料編纂所報』第50号 p.51