東京大学史料編纂所

40.三原市立中央図書館所蔵史料の調査・撮影

二〇一三年一〇月二九日および二〇一四年五月一五日、三原市立中央図書
館(広島県三原市円一町)を訪れ、同館所蔵史料の調査・撮影を行った。な
お、本調査は一般共同研究「中近世医書に見る外来医学知識の研究」(研究
代表者榎本渉)の一環として行ったものであり、調査には拠点共同研究員の
榎本渉(国際日本文化研究センター准教授)の同行を得た。調査した史料は
以下のとおりである。
一、倉公伝 写本 一冊   
福原文庫 ふ四〇〇─一〇九。袋綴装、仮綴。二四・五×一七・〇セ
ンチ。五九丁。外題打付書「扁倉伝 二」。首題「倉公伝」。印記「福
原氏図書印」(朱方印、陽刻)。『史記』列伝第四五扁鵲倉公伝のうち、
倉公伝のカナ抄。もと扁鵲伝と併せて二巻であったものの零本か。
一、捷径弁治集 写本 一冊   
里村文庫 四〇〇─二─六一。袋綴装。二七・四×二一・四センチ。
四五丁。外題打付書「道三医書/万加厳昆」。表紙見返し・裏表紙識
語「高尾氏」。首題「捷径弁治集目録」。三原市指定文化財「道三遺著
古写本」のうち。
一、道三説話 写本 一冊   
里村文庫 四〇〇─二─六三。袋綴装。二五・二×一八・四センチ。
五二丁。裏表紙裏貼に紙背文書あり。三原市指定文化財「道三遺著古
写本」のうち。
一、諸虚損 写本 一冊   
里村文庫 四〇〇─二─七八。袋綴装。二五・一×一八・七センチ。
四九丁。三原市指定文化財「道三遺著古写本」のうち。
一、諸方活人集 写本 一冊   
里村文庫 四〇〇─二─八一。袋綴装。二五・三×一八・九センチ。
五六丁。『諸虚損』と同筆にかかる(ただし部分的に別筆の丁あり)。
裏表紙識語「里村耆□園蔵」。表紙・裏表紙裏貼に紙背文書あり。三
原市指定文化財「道三遺著古写本」のうち。
一、婦人諸疾論 写本 一冊   
里村文庫 四〇〇─二─八六。袋綴装。二五・一×一八・五センチ。
五〇丁。『諸虚損』、『諸方活人集』と同筆にかかる。表紙見返しにカ
ナ抄様の書き入れあり。三原市指定文化財「道三遺著古写本」のうち。
一、啓迪集  曲直瀬道三撰 写本 九冊   
里村文庫 四〇〇─二─五五。袋綴装。二六・七×二〇・二センチ。
第五冊は二種あり。第一・八冊は原表紙欠。第三~七冊外題箋(道三
筆か)「啓迪集 三」(数字は各巻数)。第一冊七六丁、第二冊五〇丁、
第三冊五二丁、第四冊五二丁、第五冊A六一丁、B六一丁、第六冊五
〇丁、第七冊五六丁、第八冊七九丁。第一冊題辞(天正万年之二歳々
舎甲戌仲冬初吉策彦周良)・自序(天正第二甲戌冬日当至)・首題、第
二・四・七・八冊本文、第三・五B・六冊首題は曲直瀬道三自筆。本
文自筆以外の冊にも道三の筆と思われる注記書入れあり。第八冊奥書
「就当流医道執心励憤悱之志頃/遂於在洛晨昏列講庠而勉学無/懈矣、
予感彼至勤而授之以啓迪/一部、猶謹救済之志而可仰可信勿/軽勿忽
云/于旹天正十一歳舎癸未菊節/洛下翠竹院一渓叟道三(花押)/松
林軒 薬局右」。第五冊B挟込み紙墨書「水野桃亀様 松本周亀」。広
島県指定文化財。
一、医方大成之治方  曲直瀬道三撰 写本 一冊   
    里村文庫 四〇〇─二─五五。袋綴装。二五・九×二〇・四センチ。
七六丁。首題「医方大成之治方凡例 雖知苦斉道三記之」。挟込み紙
墨書「帰元 月保妙寿禅定尼霊位」。三原市指定文化財。
一、済民記  曲直瀬玄朔撰 写本 一冊   
里村文庫 四〇〇─二─五四。袋綴装、五針眼訂法。二五・九×二一・
五センチ。七二丁。奥書「此書者延寿院之述作也、乃以/済民之心勤
我業則幸甚/為松林軒道久学士 東陽軒書焉(印)」。三原市指定文化
財。
一、日本書記講義 写本 一冊   
里村文庫 二〇〇─二─八三。袋綴装、横帳。一二・二×一八・七セ
ンチ。四六丁。原表紙欠。後補表紙外題箋「日本書記講義 天文九年
写」。奥書「享徳元午三月十一日書了/於平安城四条坊門烏丸摩利支
天堂書之/于時天文九年〈庚子〉三月廿三日写之了」。三原市文化財
指定名称「神代の巻講義」。
一、〔易書〕 写本 一冊   
里村文庫 四〇〇─二─九一。袋綴装。二五・八×二一・七センチ。
六七丁。外題・首題なし。三原市指定文化財。
一、(補註釈文)黄帝内経素問 版本 八冊   
里村文庫 四〇〇─二─五三。袋綴装、五針眼訂法。十二巻。三〇・
四×二〇・二センチ。朝鮮活字版、匡郭四周双辺、版心黒口花魚尾。
半葉一〇行一八字。第一冊(序・目録・巻一)九三丁、第二冊(巻二・
三)一〇八丁、第三冊(巻四・五)一一一丁、第四冊(巻六・七)九
二丁、第五冊(巻八・九)九六丁、第六冊(巻十)一四五丁、第七冊
(巻十一)六五丁、第八冊(巻十二)三九丁。各冊表紙・裏表紙裏貼
に紙背文書(朝鮮文書・版本)あり。三原市指定文化財。
一、素問入式運気論 版本 一冊   
里村文庫 四〇〇─二─五三。袋綴装、五針眼訂法。三〇・四×二〇・
〇センチ。朝鮮活字版、匡郭四周双辺、版心黒口花魚尾。半葉一〇行
一八字。七一丁。裏表紙裏貼に紙背(朝鮮版本)あり。三原市指定文
化財「黄帝内経素問」の附。
一、文禄三世相 写本 一冊   
宮地家文書。袋綴装。二九・二×一九・七センチ。三四丁。外題箋墨
書「文禄三世相」。奥書「文禄余年〈乙未〉親月下旬書畢、三年メニ
ハ三田殿御ツイホウ/弘泪二年〈戊午〉此年モ下村六所之御幸□申也
/武州杣保氷川郷金峯山麓油木村即法寺住僧智宗房/悪筆他見願恥入
候得共当身之間書写畢、猶以申/肩君殊更長弁名樹花共ニ不勝者下校
之/慶長三年〈戊戌〉正月七日大由□□」「文禄四年〈乙未〉六月廿
四日申尅大□□氷降□」。冊尾識語「表紙天保四年癸巳の折暦にて調
製/斯時本紙裏打及表紙仕替 大正九年庚申三月下旬しるす宮地□□
□誌」。印記「宮地」(黒方印、陽刻)。
一、弁証配剤医灯  曲直瀬道三校録 写本 一冊   
宮地家文書。袋綴装。三巻。巻一の首を欠く。二五・二×一八・九セ
ンチ。一五九丁。外題打付書「配剤医灯 全」。奥書「于時天正第六〈戊
寅〉年二月六日/翠竹庵一渓叟道三(花押影)」。挟込み紙墨書「宮地
三保松氏蔵」。冊尾識語「此古写本ハ今より三百四十三年前即天正六
年戊寅曲直瀬正慶道三先生の著書にして当時虫害の予防に該本紙の四
方に薬液を浸し漆塗の箱に納め保護使用せられし秘書にして其後京都
某公家の有に帰し所転回して遂に弊堂の所有に移し珍籍の蔵書なり 
大正庚申孟夏吉日 明晴記」。印記「備後国尾道御所町玉文堂記」(朱
方印、陽刻)。
一、古今和歌集 写本 一冊   
宮地家文書。綴葉装。二五・五×一八・一センチ。一二五丁。本奥書
(貞応二年七月廿二日癸亥藤原戸部尚書、略)。奥書「此本岩城屋宮地
民部允依所望不恥後見之嘲任筆/書写畢/天文十九年十月八日松卜老
愚筆」。冊尾押紙墨書「松卜老愚筆トアルハ松田中務大輔卜隠先生之
事」。印記「宮地」(黒方印、陽刻)。松田卜隠は尾道の医師。
一、藤川記 写本 一冊   
宮地家文書。袋綴装。二六・三×一九・五センチ。一六丁。印記「備
後国尾道御所町玉文堂記」(朱方印、陽刻)。
一、備中兵乱記 写本 一冊   
宮地家文書。袋綴装。二六・三×一九・三センチ。三四丁。印記「備
後国尾道御所町玉文堂記」(朱方印、陽刻)。
一、他師破決 写本 一冊   
宮地家文書。袋綴装。三巻のうち存巻中。二六・〇×一七・八センチ。
三四丁。本奥書「本云、正慶元年五月日依大覚寺殿仰注進之/法印権
大僧都了賢」。奥書「享禄三年〈庚寅〉七月日於駿州有度郡久能寺院
主坊書写之畢/求法沙門印舜」。印記「宮地」(黒方印、陽刻)。
なお、本史料は二〇一四年四月より、三原市立中央図書館から三原市歴史
民俗資料館へ移管されている。調査の実施にあたっては、三原市立中央図書
館友宗邦夫氏、三原市教育委員会文化課垣井良孝氏・森野英治氏・時元省二
氏・松田英之氏にご教示・ご高配をいただいた。深く御礼申し上げる。
(榎本 渉・岡本 真・川本慎自)


『東京大学史料編纂所報』第49号