65.熊本県立美術館所蔵史料の調査・撮影

二〇一二年八月一日・二日、熊本県立美術館に出張し、同館所蔵の『細川
家譜』(甲本・乙本)の調査とデジタルカメラによる撮影をおこなった。甲
本は二九冊、乙本は二七冊から構成されている。内容構成および史料的性格
については、山田貴司「宇土細川家で編纂・制作された『細川家譜』」(『熊
本県立美術館研究紀要』一三、二〇一三年)を参照されたい。
この調査は科学研究費基盤研究B「中世における合戦をめぐる総合的研究
─長篠の戦いを中心に─」・史料編纂所共同研究(特定共同研究複合史料領
域)「関連史料の収集による長篠合戦の立体的復元」・史料編纂所附属画像史
料解析センター「長篠合戦図屏風プロジェクト」による。長篠の戦いに関係
した織田信長発給文書を多く伝来する細川家の家譜のなかでも、最近あらた
に収蔵され、史料的性格にも注目されている熊本県立美術館本の調査をおこ
なったものである。
参加者は、末尾の史料編纂所所員のほか、谷口央(科研分担研究者・共同
研究員、首都大学東京)・川戸貴史(科研連携研究者・共同研究員、千葉経
済大学)である。
調査にあたり所蔵史料の閲覧・撮影のご許可をいただいた熊本県立美術
館、種々ご高配を賜わった同館学芸員山田貴司氏に厚く御礼申し上げたい。

(及川 亘・金子 拓・黒嶋 敏)

『東京大学史料編纂所報』第48号