東京大学史料編纂所

59.オーストリア共和国・スイス連邦所在日本関係古写真等の調査・撮影

二〇一一年六月一九日から二七日にかけて、オーストリア共和国ウィーン
市・同バートアウスゼー市・スイス連邦ヌーシャテル市に出張した。参加者
は、榎原雅治(所長)・保谷徹・箱石大・藤原重雄・谷昭佳・高山さやか・
高橋則英客員教授(日本大学)・田中里実助教(同)の八名である。また現
地では、共同研究員ペーター・パンツァー名誉教授(ボン大学)・宮田奈々
氏(同)に調査協力をあおいだ。古写真科研(研究代表者谷昭佳)と古写真
研究プロジェクト(研究代表者:保谷徹)による合同調査である。
1、オーストリア国立図書館・同工芸美術館(ウィーン市)
一八六九年に来日した写真家ヴィルヘルム・ブルガーの日本関係古写真コ
レクションを閲覧・調査した。
2、アルフレッド・モーザー氏所蔵コレクション(同)
ブルガーの弟子で、横浜の英字新聞ファーイースト紙のカメラマンなどを
つとめた写真家ミヒャエル・モーザーの御子孫が所蔵するアルバム・コレク
ションなどを調査・撮影した。
3、カマーホフ博物館(バートアウスゼー市)
モーザーが撮影した湿板写真のガラスネガ原板を中心に、市内のモーザー
写真館と近郷の御子孫がお持ちのモーザー・コレクションの調査・撮影をお
こなった。調査に先立ち、市長主催の歓迎会が催された。
4、ヌーシャテル民族誌学博物館(スイス連邦ヌーシャテル市)
一八六三年に来日したスイス使節エメ・アンベールの古写真史料の調査・
撮影をおこなった。また、アンベールが日本で収集した画像資料を調査し、
スナップ撮影をおこなった。画像コレクションは、名所図絵・産物図絵・風
俗図・錦絵・挿絵の類を切り抜いて台紙に整理したものなど、二三〇〇点以
上におよび、「日本図絵」の挿絵を作成する原資料となったものと考えられ
る。
同館では条約締結一五〇周年記念展示への協力を要請され、マークオリ
バー・ゴンセス館長とジュリアン・グローサー学芸員補佐と協議のうえ、史
料編纂所との共同研究としてコレクションの調査研究を進めていくことに
なった。
(保谷 徹・榎原雅治・箱石 大・藤原重雄・谷 昭佳・高山さやか)


『東京大学史料編纂所報』第47号