東京大学史料編纂所

11.名古屋市博物館所蔵史料・常滑水野家文書の調査・撮影

二〇一一年六月一五日・一六日、愛知県名古屋市および常滑市におもむき、
デジタルカメラによる史料の調査・撮影をおこなった。
○名古屋市博物館所蔵『信長記』
袋綴冊子十五冊。各冊薄茶表紙に「信長記 第○」と外題が直書されてい
る。各冊冒頭に「岡澤蔵書」「岡澤寄附」印あり。半葉六行書き。岡山大学
附属図書館池田家文庫所蔵太田牛一自筆本系統の写本である。一九九〇年に
名古屋市博物館が購入したとのこと。池田家本を寛文二年に書写した写本の
転写本として、加賀市立図書館聖藩文庫本と並んで良質なものである。詳細
は金子拓編『『信長記』と信長・秀吉の時代』(勉誠出版、二〇一二年)を参
照されたい。
○(常滑)水野家文書
常滑市所蔵。とこなめ陶の森資料館(採訪当時の名称は常滑市民俗資料館)
保管。常滑城主水野家の伝来文書。左記目録の冒頭にある織田信長黒印状一
〇通および徳川家康書状一通は、現在一巻の巻子に仕立てられ、宛名はいず
れも水野監物(守隆、直盛とも)である(【 】内は奥野高広編『増訂織田
信長文書の研究』の文書番号)。巻子収録の一一通については、昭和三五年
に影写本が作成され、架蔵されている(水野銕太郎氏所蔵、架番号三〇七
一・五四―九五)。
一、織田信長黒印状(正月一六日)【六九〇】
一、同右(三月八日)【六八九】
一、同右(四月四日)【六九一】
一、同右(五月六日)【六九二】
一、同右(五月二四日)【六九三】
一、同右(九月一七日)【六九四】
一、同右(九月二〇日)【六九五】
一、同右(一〇月二六日)【六九六】
一、同右(一二月一六日)【六九七】
一、同右(一二月三〇日)【六九八】
一、徳川家康書状(六月二日) 以上一巻
一、徳川家光詩 一巻
一、朝倉景順墨付(宝永二年) 一紙
一、家譜(水野家) 一冊
一、水野系図 一冊
一、水野家系譜 一冊
一、水野家系譜 一冊
一、水野家系図書類 一冊
一、本朝武林伝巻二九 一冊
一、水野家法名等覚書(安政元年写) 一冊
一、水野逸郎書付(文政一二年九月) 一紙
一、徳川慶勝書状写(六月二一日、松平兵部大輔宛) 一紙
一、徳川家康書状写(六月二日) 一紙
一、水野家法名等覚書 八紙
一、御家流手本 折本一冊
一、御家流蹴鞠条々秘伝巻(貞享元年奥書) 横帳一冊
一、初而御上国御行列附(文化八年) 一冊
一、水野家分限帳 一冊
一、古流故実伝(水野左膳宛、寛政三年七月) 折本一冊
一、足利義輝官途状(水野監物丞宛、八月二三日) 一紙
一、蘭斎鑑定書(文化一二年一〇月朔日) 一紙
一、織田信長黒印状(水野監物宛、九月一一日) 一紙
一、豊臣秀吉朱印状((天正一三年)八月二日、森兵吉宛) 一紙
一、徳川家康判物写(永禄一二年閏五月二〇日) 一紙
一、松平伊豆守信説書状(二月十四日、松平式部大輔宛) 一紙
○瀧田金左衛門家文書
一、水野家系図(宝暦五年正月・文政一〇年二月奥書あり) 一冊
表紙に「水埜家本表紙ニ「下」ノ字残レリ二冊物ノ意カ」の付箋。
一、水野家系図 一冊
表紙に「水埜家本ノ「上」巻ナラン」の付箋。
一、水野家系図 一冊
一、水野系図 一冊
調査にあたっては、名古屋市博物館学芸員山本祐子・岡村弘子・津田卓子
各氏、常滑市民俗資料館館長中野晴久氏、日本福祉大学知多半島総合研究所
高部淑子氏、同大学経済学部曲田浩和氏、共立女子大学文芸学部堀新氏に大
変お世話になった。厚く感謝申し上げたい。
(遠藤珠紀・金子 拓・黒嶋 敏)


『東京大学史料編纂所報』第47号