75.イギリス・イタリア所在日本関係史料の調査

二〇〇九年九月二日・四日に、基盤研究(B)「近世日蘭関係史料の相関的研究」(二〇〇七年~二〇一〇年)により、以下の調査を行なった。
一マンチェスター大学ジョン・レイランド図書館(イギリス)
 P・F・コルニッキ(Kornicki)氏の同館所蔵日本コレクションの目録(The Japanese Collection in the Bibliotheca Lindesiana. Bulletin of the John Rylands University Library of Manchester vol.75 no. 2 1993.)に基づき、オランダ商館長イザーク・ティツィング旧蔵のオランダ語及び英語の文書・原稿、日本語書籍を中心に調査を行なった。同図書館には、他にも一九世紀に蒐集された様々な日本書籍・地図が所蔵されている。
二ジェノヴァ市キオッソーネ東洋美術館(イタリア)
同館は明治期のお雇外国人キオッソーネ(Chiossone)の日本での収集品約二万点を収蔵しており、その内容は、浮世絵・近世の肉筆画はじめ仏像・甲冑・考古遺物・工芸品など非常に多彩である。ドナテッラ・ファイッラ館長(Dr. Donatella Failla)より、同館の現状について説明を受け、また展示中の収蔵品について案内・解説をいただいた。スタッフの不足から、収集品の目録データベース化等は、現在中断している由であった。

(石川徹也・木村直樹・松井洋子)

『東京大学史料編纂所報』第45号