東京大学史料編纂所

74.沖縄史料調査

二○○九年六月二五~三○日に沖縄に出張し、南島画像関係資料及び琉球家譜関係資料の調査を行った。二五・二六日に那覇市歴史博物館で琉球家譜調査、二七日に沖縄県立図書館郷土資料室で琉球家譜調査、二八日に浦添市立図書館沖縄学研究室で琉球家譜調査、二九日に沖縄県立芸術大学図書館で鎌倉芳太郎ノート(奄美諸島関係等)、三○日に琉球大学附属図書館沖縄資料室(石垣島宮良殿内文書の馬術関係資料)で調査を行った。また、二○一○年二月二三~二六日、那覇市歴史博物館で琉球家譜調査を行った。
 これらの調査成果のうち、『南島雑話』に関わる史料(琉球馬術史料も含む)は、「南島雑話とその周辺」(『画像史料解析センター通信』)に紹介したものがある。
 琉球家譜については、この十余年で、琉球・薩摩関係と琉球・日本関係の記事、奄美諸島関係の記事の所在を、『氏集』に従い、那覇市歴史博物館(前、那覇市歴史資料室)、沖縄県立図書館郷土資料室、浦添市立図書館沖縄学研究室所蔵の資料によりほぼ確認した。ただし、沖縄県教育委員会編『琉球家譜』掲載の家譜で、上記三機関に複本がないものは閲覧できていない。また、琉球の馬政と薩摩・日本の馬術との関わりの記事を求めて、石垣市立八重山博物館・石垣市役所総務課市史編集室において八重山家譜の閲覧調査を二○○九二月から始めたが、最初の調査で終わっている。那覇市歴史博物館での家譜複本の複写が可能となったので、必要な部分の複写を二○○九年初から始め、翻刻されているもの以外、奄美諸島関係、薩摩関係、江戸立ち関係、薩摩・日本と仏教・医道・絵画・書道・陶業・神道などでの関係の記事の部分は、自らが確認している範囲は、ほぼ複写した。前回紹介したように、奄美諸島史のみならず、日本の近世編年史料の作成にも、琉球家譜は必須の資料であるが、採訪調査報告の場でそれらの資料または記事を全て紹介することはできないので、いずれ機会を得て、蒐集した複写資料をもとに琉球家譜中の薩摩・琉球関係と日本・琉球関係の所在一覧を作成して、図書室に収めたいと考えている。
 また、奄美諸島関係資料についても、「奄美諸島編年史料集」編纂の試みのために、二十年余にわたり、奄美博物館などを中心にして複本の閲覧調査を行ってきた。また、知人の郷土史研究者からも史料所在について多くのことを教えていただいてきた。奄美諸島史料は、原本を見ることが容易でなく複本に頼るしかない場合が多いので、複本関係資料も重要な史料であると考える。これらの調査成果についてもいずれ一覧を作成し図書室に納めたいと考えている。 
(石上英一)


『東京大学史料編纂所報』第45号