34.真珠庵所蔵史料の調査・撮影

二〇〇九年一月二七日より二九日の三日間、京都市北区紫野大徳寺の真珠庵に出張して所蔵文書の調査・撮影を行った。通仙蔵の大長持と衣装箪笥に収められている文書・帳簿・絵図類を調査・撮影した。大長持には中世から近世にわたる文書のほか、年忌に関わる帳簿類などが収められており、これらを調査・撮影した。また大長持には、このほかに中世から近世にいたる禅籍・漢籍などが収められており、その一部を調査した。また衣装箪笥には、中世末期から近世にいたる寺院経済の実態を示す帳簿が収められている。今回は、全体の概要を把握した上で、一段目に収められている明応三年より天正十六年までの二十点の帳簿類を調査・撮影した。なお、この出張は、特定領域研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成」の研究代表の小島毅氏(人文科学研究科)および同研究専門支援員の杉山巌氏の参加をえて、同特定領域研究の王権班の事業とのジョイントで行われた。

(保立道久・川本慎自・谷昭佳)

『東京大学史料編纂所報』第44号