13.中京大学図書館所蔵『信長記』の調査・撮影

二〇〇八年一一月一三日、中京大学図書館に赴き、同館所蔵『信長記』写本(一五冊、貴重書番号二六、請求番号二八九・一―O八一)の調査・撮影を行った。参加者は、金子・黒嶋ほか、科学研究費基盤研究(C)「「信長記」諸本の史料学的研究」の研究協力者岡田正人・和田裕弘である。
『信長記』中京大学本は、現在岡山大学附属図書館池田家文庫が所蔵する太田牛一自筆本の系譜を引く写本であり、池田家における改装(寛文二年下限)以前に写された可能性があるものである。
箱書には「梅本治部右衛門所持」「享保十九甲寅春筋誠矩永丈以介購之」とあるが、人名などは未詳である。享保一九年(一七三四)に売買されたことがわかる。
所蔵史料調査撮影の許可を与えられた中京大学図書館、閲覧・調査にあたり種々ご高配を賜わった同図書館平野賢二氏、当日貴重なご教示を賜わった中京大学名誉教授長谷川端氏、同文学部教授柳沢昌紀氏に厚く御礼申し上げたい。

(金子 拓・黒嶋 敏)

『東京大学史料編纂所報』第44号