東京大学史料編纂所

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ロシア連邦サンクトペテルブルグ市所在日本関係史料の調査

 二〇〇七年九月四日から九日にかけて、ロシア連邦サンクトペテルブルグ
市に出張した。参加者は、保谷徹・小野将・松澤裕作の三名である。ま
た、現地では、サンクトペテルブルグ国立大学東洋学部ワジム・クリモフ教
授に調査協力をあおいだ。
 今回の出張調査では、ロシア国立歴史文書館・同海軍文書館の両文書館が
新館への移転のために閉鎖中であったため、両館長と面会して今後のプロジェ
クト計画について打合せをおこなうにとどめた。両館ではそれぞれ新館を御
案内いただき、新しい設備について解説を受けた。
 その後、ロシア科学アカデミー東洋古籍文献研究所(旧東洋学研究所サン
クトペテルブルグ支部)を訪問し、ポポワ所長と面会してかねて打合せ済み
の共同研究の進捗について意見を交換した。
 今回新たに調査対象としたのは、ロシア国立国民図書館である。同館は市
の中心部に位置し、帝政ロシア以来の伝統ある国立図書館である。
 同館では日本関係の手写本をいくつか紹介していただいたが、とくに重要
と思われたのは、OCPK(手書き草稿フォンドで、基本的なコレクション)
に所収された一八〇四年の遣日使節レザノフの日誌である。内容的には、一
九九四年にクラスノヤルスクで出版された『コマンドール』所収の日誌原本
と思われ、きわめて詳細な清書本である。フォンド・請求番号は〔F.IV,
482〕。一冊、全一二八紙で、図書館には一九〇五年一月二四日に登録されて
いた。この日誌については、今後複製を入手してさらに比較検討すべきであ
る。
                              (保谷徹・小野将・松澤裕作)


『東京大学史料編纂所報』第43号p.112