65.鍋島家古写真の調査・撮影

二〇〇五年八月二九日から九月一日まで、佐賀県佐賀市の鍋島報效会微古館を訪問し、昨年に引続き佐賀鍋島家が所蔵する古写真コレクションの調査とデジタル化を行った。今回の調査も画像史料解析センター古写真研究プロジェクトの一環として行われ、共同研究員石川寛夫教授(九州産業大学)、同吉田成(助教授)、研究協力者川上力(九州産業大学)の参加をえた。
 コレクションは箱単位で整理されているため、年代の古いものを含む箱から順にデジタル撮影をすすめた。撮影は写真の表と裏、台紙の状態などについておこない、撮影データをもとに書誌データの作成をおこなった。石川・川上両氏に出張調査(のべ一五日間)を委託した分を含め、計一七七一点の幕末から明治初年に制作された古写真の撮影・書誌データを得た。
 二〇〇五年一一月八日から一一日、二〇〇六年二月六日には、谷昭佳が「デジタル画像解析による一九世紀古写真の技法鑑定調査」科学研究費奨励研究により、鍋島報效会微古館を訪問し、古写真コレクションの顕微鏡・赤外線の撮影をおこない、一五五点一一三五カットの画像を得た。

(保谷 徹・箱石 大・谷 昭佳)

『東京大学史料編纂所報』第41号