71 インドネシア国立文書館所蔵オランダ領東インド政庁一般書記局文書の調査

二〇〇五年一月一七日より一九日まで、インドネシア共和国南ジャカルタ市所在の、インドネシア国立文書館Arsip Nasional Republik Indonesia(略称 ANRI)にて、オランダ領東インド政庁の一般書記局(Algemeene Secretarie、「総務局」と訳される場合もある)文書の調査を行なった。通常、同文書館での文書閲覧には調査ビザの取得が必要であるが、今回はオランダを中心にした大型研究プロジェクトTANAPの第四回ワークショップの参加者に与えられた特例として、調査ビザなしの調査が認められた。同ワークショップへの参加をご快諾くださった、オランダ・ライデン大学のレオナルト・ブリュッセイLeonard Blussé教授及びTANAP事務局に深謝したい。また、効率的な調査をご援助くださった、国文学研究資料館の安藤正人教授、及びANRIのジョコ・ウトモDjoko Utomo館長にも心からの謝意を表する。今回の調査の詳細については、科学研究費補助金基盤研究(B)(2)「近世日本関係欧文文書群の史料学的研究」(代表者松井洋子、二〇〇三~二〇〇六年度)の研究成果報告書に研究報告を掲載の予定であるので、ここでは概略の報告のみに留めたい。
 一般書記局は、一九世紀の初頭以降、オランダ領東インド政庁の文書を一括管理していた部局である。ANRIの前身であるオランダ領時代の地方文書館’s Lands Archief自体が、もともと一般書記局文書の保管のために作られた施設である。現在、 ANRI所蔵の(ビデオやマイクロフィルム等を除く)文書史料(書架延長)約三〇キロメートルのうち、オランダ語文書は約一〇キロメートルであるが、一般書記局文書は、その三分の一近い、三、二キロメートルを占めている。
 今回は、そのうち、以下の総督・評議会決議及び附属文書を閲覧し、そのすべてのマイクロフィルムの撮影を依頼した。マイクロフィルムは既に、本所書庫に入架されている(六九九八―五二)。
一八四六年六月一四日付 第一六号
一八四八年六月一五日付 第一a号
一八五一年六月七日付  第一六号
一八五七年七月二〇日付 第二号

(松方冬子)

『東京大学史料編纂所報』第40号