64.ロシア帝国外交史料館所蔵日本関係史料の調査

九月三十日から十月九日にかけて、ロシア連邦モスクワ市のロシア帝国外交史料館に出張し、同館所蔵の日本関係史料の調査を実施した。調査には岡山大学名誉教授の保田孝一氏、新潟大学助教授の麓慎一氏、東京大学大学院経済学研究科学生のロマン・ソボレフ氏に御同行いただき、ご協力を賜った。
 同館は帝政ロシア期の外務省が作成・受領した史料を所蔵する文書館である。多数の日露関係史科を所蔵するものと見られ、その相当数は既に稲葉千晴編『ロシア外交史料館日本関連文書目録I』(ナウカ、一九九六年)として目録化されているが、該目録未掲載のものも多数あると言われる。同館において史料を閲覧するためには事前の申請と許可が必要であり、また閲覧室においても、史料の出納に数日を要すること、閲覧できる史料の点数が限定されること(今回は一人につき二ファイル)など、制限が多いため、今回の調査では、前掲稲葉氏編の目録に依拠して、十九世紀後半の日露関係史科を閲覧し、一部はコピーによる収集を行なった。
(中略)

                              (小野 将・保谷 徹・柗澤裕作)

『東京大学史料編纂所報』第39号