33.薬師寺所蔵史料の調査

二〇〇一年七月九日より十三日まで、奈良県奈良市西の京町薬師寺に出張し、奈良文化財研究所との合同事業として、同寺所蔵史料の調査を行った。調査の内容については、調査完了後に報告する予定である。なお、本所の史料保存技術室において修補することを目的に、二〇〇〇年度に同寺より「有法差別等問答集」(一冊、一〇二紙)を借用してきたが、綴じ糸をはずしたところ、すべての丁の紙背に南北朝期の興福寺に関する文書があることが判明した。『大日本史料 第六編』で綱文を立てられた記事に関連する文書もある。その重要性を鑑み、奈良文化財研究所と協議の上、薬師寺の許可を得て、本所史料保存技術室で、紙背文書の影写を行うこととなった。現在、その作業を進行中である。
              (榎原雅治・及川一旦・前川祐一郎・村井祐樹)

『東京大学史料編纂所報』第37号