東京大学史料編纂所

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所報―刊行物紹介

日本関係海外史料 イエズス会日本書翰集 原文編之二

本冊には、一五五三年一月から一五五五年十二月(自天文二十一年十二月至弘治元年十一月)までの日本におけるキリスト教布教に関連する文書三十七点を収めた。このうち、二点は原文編之一の補遺である。写本から翻刻された文書は十一点であり、他は古刊本を含む出版物からの転載である。写本十一点のうち、八点はリスボン市所在のアジュダ図書館所蔵のコレクションJesuitas na Asiaの製本文書から採用された。二点は同じリスボン市所在の科学学士院図書館所蔵の写本集Cartas do Japão,vol.1.から底本を採用した。そして残りの一点は同市のポルトガル国外務省文書館所蔵の写本集Cartas da Indiaから採ったが、これは、大内義長が一五五五年九月十六日付をもって、イエズス会のコスメ・デ・トルレス神父に付与した大道寺寄進に関する判物写である。
出版物から採られた二十六点のうち、八点は一五九八年にポルトガルのエヴォラで編集出版された、所謂、『エヴォラ版日本書翰集(CARTAS QUE OS PADRES E IRMÃOS DA COMPANHIA DE JESUS ESCREVERÃO DOS REINOS DE JAPÃO & CHINA AOS DA MESMA COMPANHIA DA INDIA, & EUROPA, DESDO ANNO DE 1549 ATÉ O DE 1580, PRIMEIRO TOMO)から転載した。十五点は、ジョゼフ・ヴィッキ編纂の『インド史料集』(DOCUMENTA INDICA)から、さらに三点はホアン・ルイズ・デ・メディナ編纂の『日本文書集』(DOCUMENTOS DEL JAPON 1547-1557)から採用した。
文書三十七点の内訳は、書翰三十二点、覚え書一点、イエズス会員名簿二点、イエズス会インド管区副管区長日本渡航携帯品目録一点、及び大内義長判物写一点である。書翰については、イルマン・アイレス・ブランダンIr. Aires Brandãoのポルトガル在住イエズス会士宛一五五四年十二月二十三日付の書翰三通を収載した。アジュダ図書館所蔵の写本(第八十二号文書)と『インド史料集』所収のローマ・イエズス会文書館所蔵文書(第八十二B号文書)とはほぼ同内容である。
第八十二号文書は原文書の第八十二B号文書に比べかなりの省略があり、同文書から写されたと明言できない。『エヴォラ版日本書翰集』所載の第八十二A号文書については、第八十二号文書乃至はその他の写本から編集されたものと思われ、本冊には第八十二号文書と内容が異なる箇所についてのみ採録した。
本冊で扱う諸書翰の内容は、ザビエル離日後の日本に関する新しい情報と布教状況、ザビエルの訃報、インド管区副管区長メルシオール・ヌーネス・バレトの日本視察の決意とゴア出帆に関わる経緯、彼に日本渡航を促すポルトガル商人ルイス・デ・アルメイダや平戸領主松浦隆信の書翰も含まれている。なお、『日本文書集』(DOCUMENTOS DEL JAPON)からの転載・引用に当たっては、編者ホアン・ルイズ・デ・メディナ神父より掲載許可を得た。また本巻に挿入された大道寺裁許状文書の図版については、ポルトガル国外務省文書館より掲載許可を得た。巻末には、原文編之一の正誤表を収録した。
(目次四頁、解題四頁、本文三三〇頁、索引二〇頁、挿入図版一葉)
担当者 五野井�史・浅見雅一・大橋明子


『東京大学史料編纂所報』第31号p.23