東京大学史料編纂所

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東大寺開田図の調査・撮影

 一九九二年六月二九日、奈良市の奈良国立博物館において、同館所蔵の以下四点の東大寺開田図を調査し�便利堂に撮影させた。今回の撮影は『日本荘園絵図聚影』一の東日本に掲載予定のためのものである。これらの全図については既に一九七九年に撮影しているが、刊行年が近くなったのでカラー撮影を行い、あわせて裏面の文字の位置を明かにするための撮影を行った。
越中国礪波郡石粟村官施入田地図(天平宝字三年) カラー8×10(全図)
                モノクロ8×10(全図・分割三点・裏全図)
越中国射水郡鳴戸村墾田地図断簡(年次未詳) カラー8×10(全図)
                      モノクロ8×10(裏全図)
越中国射水郡鹿田村墾田地図断簡(年次未詳) カラー8×10(全図)
越前国坂井郡高串村東大寺大修多羅供部分田地図(天平神護二年)
    カラー8×10モノクロ8×10(全図・裏全図)
    モノクロ4×5(裏書二点)
 同日、天理大学附属天理図書館において、越中国礪波郡石粟村官施入田地図断簡(年次未詳)を調査し、�便利堂にカラー4×5、モノクロ4×5の撮影をさせた。この断簡は表右側一・五センチほどが糊代の下の部分として空白で、また縦に五本、横に八本の線が引かれ条里の方眼をなしているが、注意してみると紙の裏にも線が引かれている。便利堂によるガンマフィルターによっても明瞭にすることはできなかった。この由を同館に申し出たところ、七月に同館刊行物の史料撮影の際に、別途紙背をカラー・モノクロ4×5で撮影して頂いた。その写真によると全体にわたり縦に四本、横に六本の方眼線が引かれていたが、その大きさと位置は表のものとは異なっている。また裏に文字は記されていなかったことが判明した。天理図書館の御配慮に感謝するものである。
 同三〇日、国立歴史民俗博物館所蔵の「額田寺伽藍并条里図」に描かれた故地である大和郡山市額安寺一帯の現地調査を行った。この調査は国立歴史民俗博物館と協力して実施した「額田寺伽藍并条里図」複製作業の一環である。
 七月一日、奈良国立博物館において、二九日に撮影した東大寺開田図の調査を行った。
            (岡田隆夫・石上英一・加藤友康・山口英男・村岡ゆかり)


『東京大学史料編纂所報』第28号p.57