日本荘園絵図聚影二 近畿一

『日本荘園絵図聚影』は、現存する主要な荘園絵図をコロタイプ版及び多色オフセット版で刊行するものである。全国を五地域に分け、今回はその第二冊近畿一(山城)として、山城国に所在した荘園の図を収めた。但し、平安京条坊内に所在するものは含めなかった。収録・記載の方針は昭和六十三年(一九八八)に刊行した第三冊近畿二(大和)と同じであるが(例言並びに『所報』第二三号五〇頁参照)、若干改めた点もある。先ず、各絵図を現地の位置により概ね東北より西南に向かって配列した点(その結果愛宕・葛野・山科・紀伊・乙訓郡の順になる)、広範囲を対象とした絵図を先に狭いものを後に配列した点は同じであるが、所在地を特定しがたい絵図については、便宜所蔵者にかけて配列することにした。同様に絵図中に見えるその成立に関わる年紀を「」内に記したが、今回更に関係の史料から推定される年紀を()内に記すことにした、本冊に収載した荘園絵図と所蔵者は以下のとおりである。

『東京大学史料編纂所報』第28号 p.81*-83