東京大学史料編纂所

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所報―刊行物紹介

大日本古文書 家わけ第十七 大徳寺文書別集 真珠庵文書之二

本冊には、真珠庵文書の甲箱の残りおよび乙箱の文書一点を収載した。
甲箱の文書は、前冊に引き続いて、真珠庵の仏事、法会、衆会、回忌などの宗教行事に関係する文書が多い。天文年間以降の酬恩庵慈楊塔衆評事書引付、延徳三年七月の真珠庵造営開会の関係文書、天正八年の一休の百回忌関係文書、さらに慶長より元和にいたる金銀納下帳(この文書は、近世初期の金銀貨幣の研究に有益)などは、この時期の一休派の足跡を示すものとして貴重である。特に、これらの文書によって、従来、ほとんど「龍宝山大徳寺世譜」によって考察されていた、この時期の真珠庵の歴代住持の道号・法諱の幾つかが推定可能となり、その花押なども確定されたことの意味は大きい。
乙箱の文書は、享禄から天文にかけての真珠庵領諸所田畠年貢納帳、一点である。帳面の内容について一々の説明はしないが、しばしば細字の長文の書き込みがあり、特に賀茂地域の土地関係の史料として、また竈米・収納米、升の異同など収納関係の史料としても興味深いものである。
(例言三頁、目次七頁、本文四一四頁、花押一覧四頁、印章一覧一頁)
担当者 保立道久


『東京大学史料編纂所報』第27号p.71