東京大学史料編纂所

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所報―刊行物紹介

日本関係海外史料 イエズス会日本書翰集 原文編之一

本叢書の第三の収載史料を『イエズス会日本書翰集』とした。
『イエズス会日本書翰集』(Jesuit Letters Concerning Japan)は、日本にキリスト教を伝えたイエズス会宣教師及びポルトガル商人らが日本に関して言及し、あるいは彼等が日本から送付した一五四七年から一五七九年に至る書翰と報告書などを収める。同書翰集は、一五九八年にポルトガル国エヴォラで刊行された、所謂「エヴォラ版日本通信」(CARTAS QUE OS PADRES E IRMÃOS DA COMPANHIA DE JESUS ESCREVERÃO DOS REINOS DE JAPÃO & CHINA AOS DA MESMA COMPANHIA DA INDIA, & EUROPA, DESDO ANNO DE 1549 ATÉ O DE 1580, PRIMElRO TOMOを底本とし、同日本通信の闕字及び省略箇所は、リスボン所在のアジュダ図書館及び科学学士院図書館やローマ・イエズス会文書館所蔵の手書写本及び原文書によって、これを補った。「エヴォラ版日本通信」に未収載の日本関係文書については、前記三図書館・文書館及びポルトガル国エルヴァス市立図書館所蔵の文書や、ゲォルグ・シュールハマー及びジョゼフ・ヴィッキ編纂の『ザビエル書翰集』EPISTOLAE S. FRANSISCI XAVERII 及びヴィッキ編纂の『インド史料集』DOCUMENTA INDICA 所載文書を本書翰集に収めた。
各機関所蔵文書の掲載利用や既刊史料集からの関係文書の引用については、前記各機関の許可を得、その他にはリスボン所在のトーレ・ド・トンボ国立文書館やマドリー所在の王立歴史学士院図書館からも使用を許された。
編纂の体裁は編年とし、月日の不明な文書は当該年の末尾に配列した。
本冊には、一五四七年十二月(天文十六年十一月)から一五五二年十二月(天文二十一年十二月)に至る報告及び書翰六九点を収めた。フランシスコ・ザビエルの日本渡航とその死に関する書翰・訓令等三十九点、ザビエルの日本渡航に重要な役割を果たしたポルトガル人船長ジョルジェ・アルヴァレスの日本報告一点、鹿児島出身のアンジロー(またはヤジロー)から日本事情について聴取したニコラオ・ランチロットの覚書二点、パウロ・デ・サンタ・フェ(聖信のパウロ)すなわちアンジローの書翰二点、ザビエルに代わって日本布教に従事したコスメ・デ・トルレスの書翰三点等が含まれ、日本へのキリスト教伝来の事情とザビエル等による初期布教の様子及びザビエルの日本布教に対するインドやマラッカにおける反応・評判・期待のほどを伺うことのできる内容からなる。原稿の作成に当たり、本文のタイピングと原稿整理は非常勤職員の大橋明子と松本直美が担当した。
(序文三頁、目次七頁、解題七頁、例言四頁、本文三一一頁、図版一葉)
担当者 五野井�史


『東京大学史料編纂所報』第25号p.82