東京大学史料編纂所

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所報―刊行物紹介

日本関係海外史料目録15

『日本関係海外史料目録』第十五冊は、本所が一九六九年までに収集して、第一~十四冊(その内、本誌『東京大学史料編纂所報』発刊以後の第五~十二及び十四冊の解題は、所報に掲載)に収録した一六か国四二機関所蔵史料七二〇五四〇コマについで一九六九年以降一九八七年七月までに本所が受入れた一三か国三〇機関(以前と同じ機関を含む)からの収蔵マイクロフィルム四二一七四八コマ(フィルム換算焼付本を含む)及び近い将来受入れ分を収める新収シリーズの第一冊として、イギリス国・アメリカ合衆国・オーストリア共和国所在文書及びデンマーク王国所在文書の一部を収め、かつ、新収シリーズの最初なので、七種の附録を加えて収集事業の経過と成果及び本所の事業の紹介にあてた。
(A)イギリス国、The United Kingdom 所在文書。
(ポジ一三巻 六、九七四コマ、一~一三頁)
一、ロンドン市所在大英図書館(The British Library in London)所蔵史料
東インド貿易関係記録(East Indies Trade Records)、一六一五~一六ニニ(元和元~八)年。一巻 四九一コマ
『日本関係海外史料イギリス商館長日記』刊行の必要から、さきに一九五七年入手のフィルムの不鮮明部分を補うため、リチャード・コックスの日記を再撮影したもの。
二、ロンドン市所在英国官公記録局(The Public Record Office in London)所蔵史料
1、カンタベリー遺言裁判所記録(Cantabury Prerogative Court Records)、一六二六~二七(寛永三~四)年。一巻 四九七コマ
上記コックス日記の原文編・訳文編編纂の参考として、皆川三郎氏のご教示により採訪、許可を得てコックス遺言状の図版・釈文・訳文を刊行できた。
2、サー・アーネスト・サトウ日記(Sir Ernest Satow Diaries )、一八六一~一九二六(文久元~大正一五)年。一一巻 五九八六コマ
クラウス・トムソン社(Kraus-Thompson Organization Ltd.)発売のポジ・フィルム(PRO30:33-15/17)を国費で購入したもの。サトウはイギリス外交官で、滞日は一八六二~一八八三、一八九五~一九〇〇年で、日記は写真や新聞切抜をも含む本文のほか、小旅行中のメモ帳もある。
(B)アメリカ合衆国(The United States of America)所在文書。
(ポジ二巻 一七一五コマ 一五~二六頁)
一、コネティカット州ニューヘイヴン市所在イェール大学図書館(The Yale University Library,New Haven,Conn.)所蔵史料。
一九八〇年阿部善雄教授の採訪にかかる日本語史料であるが、流出事情は調査未了である。
1、平氏文書(Taira Uji Monjo)、一四七〇~一五四六(文明二~天文一五)年。〇・二巻 二〇コマ
平姓地下粟津家歴代叙任関係文書一一通で、『地下家伝』四に摘録してある文書の原本であるが、粟津家伝来か同家が仕えた高倉家の伝来かは不明である。
2、京都古文書(Kyoto Komonjo)、一六三六~一八三〇(寛永一三~天保元)年。一・八巻 一六九五コマ
京都下京町組年寄寄合記録、一八一八(文政元)年町代制度改正一件文書及び当時の絵巻一巻(『台文再還祝絵巻』)を含む。
二、イリノイ州シカゴ市所在ニューベリー図書館(The Newberry Library in Chicago)所蔵史料。一巻 二三コマ
日本古刊仏典(Old Buddhist Print)一二八〇(弘安三)年。
空海所撰といわれる金剛般若波羅密開題の沙門覚胤版下による高野版。
応永二八(一四二一)年全宥点宝性院本による享徳二(一四五三)年宝源院観澄の加点ある刊本で、十七世紀金剛峯寺大乗院紹範の記名あり。外題は表紙記名の善識の略記にかかる。
(C)オーストリア共和国(The Republic of Austria)所在文書。
(ネガ六巻 三六七七コマ 二七-七七頁)
ウィーン市所在オーストリア国立文書館(Österreichisches Staatsarchiv in Wien)所蔵史料。
王室、宮廷及び国家文書(Haus- Hof- u.Staatsarchief)の内日本関係文書。
ピーター・パンツァー氏(Peter Pantzer)の著書に基づき発注した未綴未整理文書のネガフィルムで、一九七八-七九年に受入れたものである。
1、対日条約(Staatsvertrag mit Japan)、一八六八~一八七二(明治元~五)年。〇・五巻 二二六コマ
一般原文書(Allgemeine Urkundenreihe)所収の一八六九(明治二)年日墺洪友好通商航海条約の批准書正本である。
2、外務省文書(Ministerium des Äussern)、一八六八~一八七二、一八八七~一八九二(明治元~五、二〇~二五)年。五巻 三、三八二コマ
行政文書第三十四部門(Administrative Resistratur Fach 34)所収の対日条約締結及び改正に関する受発信文書綴と条約締結当時の東アジア南アメリカ派遣船隊と本国政府との往復文書集から成る。
3、青島防衛と日本の態度(Vertreidigung von Tsingtau und Japans Haltung)、一九一四~一九一八(大正三~八)年。〇・五巻 六九コマ
政治文書日本第三十部(Politisches Archiv Japan XXX)所収の、第一次大戦でのドイツヘの参戦による墺洪二重帝国没落期のエリザベス女王号(Keiserin Elizabeth)の命運を示す文書である。
(D)デンマーク王国(The Kingdom of Denmark)所在文書(その一)。
(ネガ一二・七巻 六一六七コマ 七九~一二七頁)
コペンハーゲン市所在国立文書館(Rigsarkivet in Kφbnhavn)所蔵史料。
一、初期のデンマーク人の東アジアでの活動に関する記録(Record Concerning Early Danish Activities in East Indies)
インドにあったデンマーク東インド政庁とコペンハーゲンにあったアジア貿易会社その他の貿易会社の記録の中から選んで一九七九年に受入れたもの。
1、東インド総督及び総督府受信文書(Indkomme Breve til Ostindiske Guvernoren og Guvernementet)一七八七~一八〇四(天明七-文化元)年。一巻 二七三コマ
文書群 Ostindiske guvernement 1378d に含まれる、トランキバール(Tranquebar)政庁の活動を知る文書である。
2、中国渡航船舶の航海日記(Skibsjournaler for Kinafarere)、一七八九~一八〇七(寛政元~文化四)年。五巻 二、七七二コマ
デンマーク東インド会社(Asiatisk Kompagni)文書の一部で、ナポレオンによる大陸封鎖以前のデンマークの航海活動の一端を知る史料であるが、日本へ来た船はこのなかには見えない。
二、デンマーク外務省(Udenrigsministeriet)旧蔵日本関係文書(その一)
前半は史料編纂所の調査により一九七八年に、後半は在コペンハーゲン長島要一教授の調査により一九八四年以降に受領したフィルムで、本冊では前半の半分のみを収め、残りは次冊に譲った。
1、対日条約締結への努力(Bestræbelse for en Handels-traktat med Japan)、一八五九~一八六六(安政六~慶応二)年、一八七七~一八八〇(明治一〇~一三)年。二巻 一〇三二コマ
一八六七(慶応三)年日丁通商友好航海条約締結及び一八七九(明治一二)年の条約改正に関する文書である。
2、駐日デンマーク使節の外務省宛送信綴(Depecher fra den Danske Mission i Japan)、一八六八~一九一〇(明治元~四三)年。四・七巻 二〇九二コマ
デンマーク王国の対日外交文書の基本的部分であるが、一八七二、一八七四、一八七六、一八七八、一八七九の五年度分が闕けている。
外務省文書の3、遠征航海記録(Skibstogtsprotokollerer)以下は次冊に譲る。
本冊は、巻頭に英文例言(Remarks)、和文例言、英文解題(Introduction)のほか、新収第一冊であるため日本学士院長黒川利雄博士の序文(Preface)を載せた。同院長は、一九八七年十二月付で署名されたが、一九八八年二月二十一日逝去された。
本冊は、新収第一冊として、前輯一四冊(一九六三~一九六九年刊)の刊行以後年数を経ているため、初めに記したように、以下の七種の資料を附録(Appendices)として収録した(一~四九頁)。すなわち、
一、日本学士院長柴田雄次博士の第十四冊への序文(一九六九年二月)。
二、日本学士院幹事辻直四郎博士の第十四冊への跋文(一九六九年三月)。
三、東京大学史料編纂所所蔵マイクロフィルム利用規程(和英両文)付原本所蔵施設名一覧(欧文のみ、一九八七年十二月現在)。
四、『日本関係海外史料目録』第一~十四冊総目次(欧文のみ、但し、史料編纂所が作成入架して利用に供している焼付本の函架番号を併記してある)。
五、一九七一年より一九八六年〔正しくは一九六九年より一九八七年〕に到る新収マイクロフィルム一覧(欧文のみ、但し、新収第二冊以後の編集の基本を示し、史料編纂所に入架済で利用に供しているフィルムの函架番号の大枠を併記してある。
六、史料編纂所海外史料マイクロフィルム受入状況一覧表(第一次・第二次国別機関別)(一九八七年七月現在)。
七、東京大学史料編纂所刊行物一覧(文部省維新史料編纂事務局を含み、復刊本の有無をも示す)(一九八七年三月現在)。
本冊所収のフィルムの目録記述、本冊の編集及び校正は金井圓が行い、非常勤職員大橋明子がタイプ浄書を担当し、松井洋子、非常勤職員高橋典子が校正を補佐した。
(前付一六頁、本文一二七頁、後付四九頁)
担当者 金井圓 松井洋子


『東京大学史料編纂所報』第23号p.48