東京大学史料編纂所

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橋本市郷土資料館・大阪市立大学附属図書館・兵庫県史編集室における調査

 一九八二年一〇月一九日より二三日まで、和歌山県橋本市郷土資料館・大阪市立大学附属図書館・兵庫県史編集室に出張した。主たる目的は、『大日本史料』第五編に掲載のため、橋本市郷土資料館に保管されている葛原文書のうち宝治二年隅田北荘検注取帳を調査・撮影する事であった。葛原文書は一部が一八八八年修史局編修長重野安繹によって採訪、九〇年に謄写され、入架されている(2071.66/10)が、大部分は未採訪であり、今回中世文書として整理された分を全点撮影した。『和歌山県史 中世史料一』には大部分が掲載されているが、今回の原本調査により新出文書数点を発見したほか、断簡文書の接続等につき、いくつか新たな知見を得た。
 大阪市立大学附属図書館では、同館所蔵の森文庫のうち『地下家伝』ほかの歴史資料を調査し、兵庫県史編集室では、同室で蒐集・撮影した県内文書につき調査し、今後の採訪計画を立案する上での参考とした。
  (黒川高明・酒井信彦・近藤成一)


『東京大学史料編纂所報』第18号p.154