東京大学史料編纂所

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所報―刊行物紹介

越後国郡絵図一 頚城郡

 『越後国郡絵図』は、米澤上杉家襲藏の「越後御絵図」を、多色オフセット印刷により刊行するものである。「越後御絵図」には、「頚城郡絵図」と「瀬波郡絵図」との二鋪が現存しているが、今回はその一として前者を刊行した。将来は後者の刊行後に別冊として釈文・解説・索引を収める予定である。
 宝永二年修補時の裏貼紙などにより慶長二年作成と考えられる本図は、秀吉が諸国から徴したことは確実ではあるが伝存するものは未発見の豊臣期郡絵図と、江戸期国絵図とをつなぐ唯一の参考資料である。江戸期国絵図に比して本図は、海岸沿いの集落と内陸部のそれとを景観的に書き分けるなど、より写実的であり、当時のこの地方の状況を復元する上でも有力な史料と考えられる。
 刊行にあたっては、タテ三四〇・ヨコ五八六センチメートルの原図をタテ一二・ヨコ四の四八枚に分割し、原寸二分の一の縮尺として充分に字が読めるように配慮した。他に約一六分の一の全図と裏貼紙の部分の図各一葉を副えた。
 なお本図の詳細については伊東多三郎「越後上杉氏領国研究の二史料−慶長二年越後国絵図と文祿三年定納員數目録」(『日本歴史』一三八)を参照されたい。
担当者 皆川完一・荒野泰典・石井正敏・石上英一・岡田隆夫・黒田日出男・近藤成一・高木昭作・高埜利彦・田中博美・千々和到・塚田孝・土田直鎭・中藤靖之・永村眞・藤田覚・保立道久・村井章介・山本博文・横山伊徳・吉田早苗


『東京大学史料編纂所報』第18号p.75