東北地方のキリシタン史料調査

昭和五十三年十月十一日から十七日までの七日間、岩手県北上市、青森県下においてキリシタン関係史料を調査し撮影した。
 東北地方に残存するキリシタン関係史料・文献の調査・蒐集は、本年度で第三年目になる。本年は青森県下を主要な調査地とし、昨年調査もれの岩手県北上市での調査をも行なった。
 北上市では市立図書館所蔵の鬼柳家文書を確認し撮影した。小型の桐箱には、「宗門目録認様案詞番書」と記してあり、文化・文政・寛政期の宗門改、宗旨書上、寺請状、宗門目録等の様式に関する案文等十三点が納められている。また当市では、市史編纂員の周東真雄氏の好意によって氏蒐集の文書の写本および写真十五点を見せて載き、その一部を撮影した。以下の如くである。

『東京大学史料編纂所報』第14号