東京大学史料編纂所

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東北大学附属図書館所蔵狩野文庫本の調査

 昭和五十二年十二月六日より十日まで、東北大学(宮城県仙台市川内)に出張し、同附属図書館所蔵狩野文庫本を中心に、『大日本史料』第三編編纂の基幹史料である「中右記」その他の諸本調査を行なった(一部マイクロ撮影)。調査した書目・内容は次のとおりであり、全て近世以降の写本である。
一、長秋記 架号 狩三・二六三七一                   一冊
      記事・大治四年正月〜二月
一、中右記 架号 狩三・二六三七二         十六冊(取リ合セ本)
 第一冊・寛治元年〜三年十二月
 第二冊・寛治八年正月〜三月((嘉保元年))
  ※本表表紙右上端ニ「此本近衛殿〓/未来」ノ附箋アリ。((改行、下同ジ))
 第三冊・寛治八年閏三月〜七月
 第四冊・寛治八年八月〜十月
 第五冊・寛治八年十一月〜十二月
 第六冊・長治元年七月〜九月
 第七冊・長治元年十月〜十二月
 ※以上第一〜七冊、一帙「中右記上」、以下、一帙「中右記下」ニ収ム。原本、
  以下ノ冊次ヲ記サズ。今、上帙ノ後ヲ受ケテ私ニ付ス。
 第八冊・仏事部類
  ※奥書ニ云ク「此一冊者以伝来古巻 吉田亜槐殿御真筆 書/写畢固不可許他見者也/天明元年七月十一日参議左大辨藤経逸」
 第九冊・扉「中右記部類 伊勢公卿勅使」、内題「中右記部類第廿八 臨時神〓十」
  ※奥書ニ云ク「右所持本脱漏之分抄出了/光棟」
 第十冊・嘉保二年三月廿二日石清水臨時祭
  ※奥書ニ云ク「右或人秘蔵之記也余懇望之間借/与之者写之了 実萬/于((三条))時天保五年三月」
 第十一冊・嘉承元年十月〜十二月
 第十二冊・嘉承二年正月〜三月
 第十三冊・嘉承二年四月〜六月
 第十四冊・嘉承二年七月〜十二月
  ※抄本
 第十五冊・嘉承二年冬諒闇中
 第十六冊・嘉承三年七月〜九月  

一、中右記抜書 架号 狩三・二六三七三                 五冊
 第一冊・寛治元年正月〜同六年六月
 第二冊・寛治七年十月〜同八年七月
 第三冊・寛治八年八月〜十月
 第四冊・永長元年八月二日〜廿六日(凶事記 郁芳門院御事)
 第五冊・同前
一、帥記 架号 狩三・二六三六七・二                  一冊
 記事・承暦四年四月〜六月
一、帥記 架号 狩三・二六三六七・一                  一冊
 記事・寛治二年八月〜十二月
  ※奥書ニ云ク「右一冊任閑暇遂書/写畢/安永七戌年/左近中将源重尹」
一、長秋記 架号 丙A・一—四・五                   十冊
 第一冊・目録、天永二年正月〜十二月
 第二冊・目録、天永四年正月〜十月
 第三冊・永久二年十月一日、元永二年目録、同年四月〜十二月
 第四冊・日録、大治二年十一月〜十二月
 第五冊・目録、大治四年正月〜十二月
 第六冊・目録、大治五年正月〜十二月、天承元年正月〜三月
 第七冊・目録、天承元年正月〜九月、長承元年五月〜六月
 第八冊・目録、長承二年四月〜七月
 第九冊・目録、長承三年二月〜閏十二月
 第十冊・目録、保延元年正月〜九月、同二年正月〜二月
  ※末尾ニ源師時ノ伝記ヲ附シ、ソノ奥ニ「宝暦七七廿加了 頼言」トアリ。((山 科カ))
 筆蹟、本文ト同ジ。
一、水左記 架号 別置・宇五—九四六                  一冊
 記事・康平五年正月〜承保四年正月
 この他、同図書館所蔵の
一、倉持文書 架号 別置・延五—一九七三                一巻
 および同文学部所蔵の
一、鬼柳文書                            六十三通
一、朴沢文書                             十二通

をマイクロ撮影した。
 また、水沢市立図書館(岩手県水沢市吉小路)へ赴き、同館所蔵「留守文書」の
花押(中世文書ノミ)をマイクロ撮影した。特に「文永十三年四月十三日」の記年のある「岩城分七町荒野絵図」については、5×7判に収めた(なお、その後、「留守文書」の内、中世文書は六巻・二冊にまとめられた)。
(皆川完一・石井正敏)


『東京大学史料編纂所報』第13号p.72