東京大学史料編纂所

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法隆寺文書調査

 昭和五十二年五月二十三日から同二十五日まで法隆寺(奈良県生駒郡斑鳩町)に出張し、前回(昭和五十年十一月)に引続いて、所蔵史料のうち、ホの凾一〜四十七・四十九〜五十一、への凾一〜六、八〜十、十二〜二十、トの凾一〜三の合計七十一巻、約八〇〇点の文書の調査・撮影を行った。法隆寺の史料は文書、記録、典籍、経巻等厖大なものがあるが、文書はこのイからリの片仮名を付した凾に収められた二一二巻約三〇〇〇点が主要な部分をなしているものと考えられる。この文書群は昭和五年から十四年にかけて、荻野三七彦氏によって、他の冊子をなす帳簿・記録類や大治一切経等とともに整理・成巻されたものである。本所が明治二十年・大正五年・昭和九年の三回にわたり採訪した文書は、影写本で三十六冊約一〇五〇点であるが、この成巻以前に部分的に抜き出し影写したもので、現在の分類とは全く異なっている。
 今回調査・撮影した部分は、中世後期から多くは近世の寺中の規式・請定・諸行事献立・舎利仏供米注文・綱封蔵衆封状・末寺の再興勧進状・結解状・口上書控などで未採訪のものが多かった。しかし一連の関連文書で部分的に影写本に収められているものもかなりあるので、どの分野での新採訪が顕著なのかは、今後の調査をまたなければならない。 (皆川完一・岡田隆夫・石井正敏)


『東京大学史料編纂所報』第12号p.119