東京大学史料編纂所

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北海道地方幕末維新期史料調査

 維新史料部は一九七四年六月道内の幕末維新期史料調査を行なったが、この調査に基いて、今回一九七五年六月三十日から七月九日までの日程で札幌・函館両市に赴き、『大日本古文書幕末外国関係文書』の編纂に必要を史料の写真撮影を実施した。前年度の調査で、これらの史料のうち後年の製本によって綴代部分の文字の撮影が不可能なものが多いことが判明したので、今回は写真撮影担当の針生技官のほか、史料補修担当の中藤技官が同行、撮影前の史料の解体、撮影後の修復に当った。また、山口・多田両名は帰途函館税関を訪れ、史料調査を行なった。以下、撮影史料を列記し、函館税関所蔵史料については、その概要を記す。  

 一、札幌短期大学図書館所蔵地崎文庫
 (整理番号)
○B—14—86721 亜国官吏来翰編冊 一八六〇—一八六二年        一冊
○B—15—86722 亜国商人来翰編 一八六五年              一冊
○B—29—86736 依児土利智来翰 一八七二—一八七三年         一冊
○B—16—86723 各国(英)来翰翻訳 自元治元年至慶応二年       一冊
○B—22—86729 各国来翰翻訳 自慶応二年至明治二年          一冊
○B—28—86735 嗹国領事来簡 一八七〇—一八七二年
○B—19—86726 各国官吏文通録 自元治元年至慶応三年         一冊
○B—23—86730 各国官吏文通録 明治三年               一冊
○B—20—86727 各国官吏触達簿 自元治元年至慶応四年         一冊
○B—17—86724 評議録 自元治元年至慶応三年             一冊
○B—13—86720 異船渡御備銅元払帳 応接懸 安政六年         一冊
○B—18—86725 地税請取書 自文久元年至慶応三年           一冊
○B—33—86731 検印録 明治六年                   一冊
二、北海道大学附属図書館北方資料室
(整理番号)
○141 仏国官吏来翰編冊 一八六五—一八七一年            一冊
○51  米人皃列屈氏来翰編 一八六二—一八六三年           一冊
○133 外国人約定証書 函館支庁外事課(このうち明治五年までの史料を撮影)
                                    三綴
○番号ナシ 証書(地蔵町築立地貸渡)                  一綴
○番号ナシ 魯国留学一件文通録 慶応元年                一綴
○A6 孛人ガルト子ル地所一件書類 明治九年二月調           一綴
三、北海道総務部行政資料課
(整理番号)
○00071 英国官吏来翰録 一八六三年                   一冊
○00084 英国官吏来翰録 一八六五年                   一冊
○00092 英国官吏交通録 一八六六年                   一冊
○00370 英国官吏来翰録 一八六七—一八七一年              一冊
○00076 米国来翰編冊 一八六二—一八六四年               一冊
○00140 米国来翰編冊 一八六五—一八六九年               一冊
○00045 御手当元済 運上役所 自安政六年至慶応四年           一冊
○00095 各国官民貸渡地所書類留 外事課 自安政三年至慶応三年      一冊
○00085 明細短冊 慶応二年                       一冊
○00093 在住御雇・御雇医師・同並明細短冊 慶応三年           一冊
○00103 船場町地所貸渡書類 自慶応元年至同四年             一冊
 四、北海道立図書館
(整理番号)
○保樺太� 北地詰足軽倉内忠右衛門廻嶋一件 白主御用所 安政六年     一冊
○蔵55082 地蔵町築立書留 箱館奉行所 自元治元年至慶応二年
                                     一冊
○保N 沽券地御用留 箱館奉行所 自慶応二年至同三年           一冊

  同図書館所蔵の道庁旧蔵簿書の中には幕末維新期の史料多数があり、とくに箱館奉行所、白主・東富内・歌棄・鵜城・栄浜等の御用所の記録類は蝦夷地支配に関する重要史料であるが、外国関係の史料は僅少であるので、今回は撮影を行なわず、後日を期することにした。以下、これらの記録のうち外国関係史料を含むものを列記する。(〈 〉内は含有の程度)   

○保樺太� 御用留 東富内御用所 自元治元年至慶応元年〈若干〉      一冊
○保樺太� 御用留 白主御用所 自元治元年至慶応元年〈一ヶ所〉      一冊
○保樺太� 御用留 鵜城御用所 自元治元年至慶応元年〈一ヶ所〉      一冊
○保樺太� 御書付并御達留 白主御用所 自慶応三年至同四年〈一ヶ所〉   一冊
○保樺太� 御用状往復類 栄浜御用所 自慶応三年至同四年〈一ヶ所)    一冊
○保樺太� 往御用状留 栄浜御用所 明治二年(若干〉           一冊
○保樺太� 来御用状留 栄浜御用所 自明治元年至同二年〈三ヶ所〉     一冊
○保樺太� 子実・東富内風説書往復書状留 自慶応四年至明治二年〈四ヶ所〉 一冊
 五、函館市立函館図書館
(整理番号)
○158 各国官吏応接録 自慶応二年至同三年               一冊
○178 各国来翰飜訳 自慶応四年至明治二年               一冊
○93  各国官吏来翰拾遺飜訳 自慶応三年至明治八年           一冊
○202 各国官吏触達 自慶応四年至明治三年               一冊
○69  クシュンナイ滞在魯夷往復留 白主御用所 自安政四年至文久元年  一冊
○188 土人ハウトンマ一件留 鵜城御用所 文久二年           一冊
○195 北地仕出御用留 鵜城御用所 自文久二年至同三年         一冊
○205 クシュンナイ滞在魯夷応接御用留 白主御用所 自文久三年至慶応元年 一冊
○192 魯夷御用留 鵜城御用所 自慶応元年至同三年           一冊
○190 魯夷応接記 鵜城御用所 自慶応二年至四年            一冊
○101 応接書上留 箱館運上役所 自文久元年正月至同年六月       一冊
○100 応接書上留 箱館運上役所 自文久元年七月至同年十二月      一冊
○102 応接書上留 箱館運上役所 自文久三年正月至同年十二月      一冊
○97  応接書上留 箱館運上役所 文久四年               一冊
○109 応接下り物留 箱館運上役所 自文久元年正月至同年六月      一冊
○151 応接下り物留 箱館運上役所 自文久元年七月至同年十二月     一冊
○201 応接下り物留 箱館運上役所 文久三年              一冊
○157 外国奉行来翰編冊 自慶応元年至同三年              一冊
○70 訳官黜陟録 自文久三年至慶応四年                 一冊
○110 評議録 自元治元年至明治二年                  一冊

 六、函館税関
 七月八日、山口・多田両名は函館税関を訪れ、総務部長森本保雄氏、関税広報官平沢興氏の世話で、税関長室架蔵の貴重史料の調査を行なった。これらの史料は同税関が保存している文書・記録のうち、幕末から明治初年に至る間のものを、前税関長安藤平氏が調査、整理され、製本させたものということである。
○外務省来翰留 従辰(明治元)年至午(明治三)年             一冊
  明治元年十二月十九日より明治三年九月十七日に至る、外国官・外務省から箱館府・開拓使函館出張所および函館税関あてに送付された文書の留帳。
○他港来翰留 従明治二巳年至午(明治三)年                一冊
  明治二年十月十日以降同三年に至る、外務省・開拓使・大蔵省から開拓使函館出張所あてに送付された文書の留帳。
○他港来翰留 従明治四辛未年至壬申(明治五)年              一冊
  開拓使、外務省、民部省、大蔵省のほか、神奈川県・長崎県の外務局、神奈川・横浜・神戸・長崎の各港運上所等から開拓使函館出張所および函館税関あてに送付された文書の留帳。以下同様。   

○他港来翰留 紀元弐千五百三拾三年 明治六年               一冊
○他港来翰留 明治七年従一月                       一冊
○他港来翰留 明治八年従一月                       一冊
○他港往翰留 明治七年従一月                       一冊
  明治七年一月一日より三月二日に至る、函館税関より租税寮・横浜税関等にあてた文書の留帳。
○各港諸庁往復留 明治八年従七月至十二月                 一冊
  函館税関と他港税関との間の往復文書の留帳。以下同様。
○各港諸庁往復留 明治九年従一月至十二月                 一冊
○各港諸庁往復留 明治十年従一月至十二月                 一冊
○各国領〓往復留 明治八年七月ヨリ 函館港税関              一冊

  各国の函館駐在領事と函館税関との間の往復文書の留帳。明治八年七月函館税関の所管が開拓使より大蔵省に変更になった際の往復文書、明治十年十月三十日英国船長ジョン=ウイルの暴行一件往復文書等が注目される。   

○開拓使往復留 明治八年自七月至十二月                  一冊
  開拓使と大蔵省等との往復文書の留帳。
○開拓使往復留 明治九年自一月至十二月                  一冊
○開拓使往復 明治十年自一月至十二月                   一冊
○本寮御達留 自明治八年七月至明治九年十二月               三冊
  扉表題「御達書御指令編冊」とある。租税権頭より函館税関長にあてた達の留帳。以下同様。
○本寮御達留 明治九年自一月至六月                    一冊

  英国公使パークス(Parkes,HarryS.)より外務卿寺島宗則宛書簡(和訳文)を別紙とする函館駐在英国領事ユースデン(Eusden,Richard)当港不在中其証書類当関にて保管の義御達等の文書を所収。   

○本寮御達留 明治九年自七月至十二月                   一冊
○内達及上申書 自明治九年至同十六年                   一冊

 明治九年三月一日より同十六年十二月三十一日に至る期間の、大蔵省関税局長と函館税関長との間に交された内達・上申書等の留帳。秘密電信換字用法等、主に税関業務に関する文書を収める。  

○本局御達留 明治十年自一月至六月                    一冊
 主として函館税関の所管官庁である大蔵省より税関にあてた達書の留帳。以下同様。
○本局御達(留) 明治十年自七月至十二月                 一冊
 扉表題「御達書御指令編冊」。
○本寮伺済編冊 三冊之内第一 自明治八年七月至明治九年十二月       一冊
 函館税関が開拓使より租税寮へ移管された際に、函館税関長より租税権頭にあてた伺書とそれに対する回答を収める。
○本寮往復留 明治八年自七月至十二月                   一冊
 租税権頭と函館税関長との間の往復文書の留帳。以下同様。
 

 明治八年六月二十九日付、租税寮七等出仕河野通猷より租税権頭吉原重俊宛の、税関請取済之義上申書は、大蔵省租税寮の函館税関直轄に関する重要史料である。(本上申書の写真は、函館税関総務部編「百年の歩み」(一〇頁)に掲載。)  

○本寮往復留 明治九年自一月至三月                    一冊
○本寮往復留 明治九年自四月至六月                    一冊
○本寮往復留 明治九年自七月至十二月                   一冊
○本局往復留 明治十年自一月至六月                    一冊
 主として函館税関長と大蔵省関税局長との間の往復文書の留帳。以下同様。
○本局往復(留) 明治十年自七月至十二月                 一冊
 扉表題「伺并往復書編冊」。
○親展往復留 第一 自明治十年至同十九年                 一冊
 函館税関長と大蔵省関税局長との間の親展往復文書の留帳。以下同様。
○親展往復(留) 第二 自明治二十年至同二十三年             一冊
○評議済 明治七年自一月                         一冊

 開拓使函館支庁民事課税関係、海関所係あるいは函館税関の伺に対し、開拓使で評議した結果を下達した際の文書の留帳。以下同様。  難破船取扱方、進水式のためのトムソン・ベウヰッキ社貸地改変、前港長ポーター(Porter,A.P.)立替金の支払、米汽船オレゴニアン号のための夜間開関等の件を扱っている。  

○評議済 明治八年自一月                    一冊
○入港退帆記 辛未(明治四)年正月               一冊
 函館港に入出港した船の届。
○各出張所設立ニ関スル書類留 明治十一年自三月至十一月     一冊
○関中書籍目録 明治八年七月調 函館税関文書課         一冊
 函館税関が開拓使から大蔵省に移管された際、開拓使から引継いだ書籍と記録類の目録。
○函館港規則沿革書類 税関                   一冊

 左記目次に掲げられている港掟則制定の際の文書ならびに同翻訳文の写を収録。
 (目次)
 「箱館港掟則更正年月調
我安政六未年六月 西洋一千八百五十九年十一月廿一日 津田近江守魯英米仏瑞西阿蘭岡士ト第壱号港掟則取結ヒ候事
(朱書)「此分既ニ廃止相成候事」
我慶応元丑年五月廿日 西洋一千八百六十五年 小出大和守魯英米仏葡瑞西阿蘭孛岡士  ト第弐号港掟則取結ヒ候事
(朱書)「此分モ既ニ廃止候事」
我慶応二寅年八月 西洋一千八百六十六年九月 杉浦兵庫頭魯英葡孛岡士ト第三号港掟則取結ヒ候事
(朱書)「此掟則既ニ改正相成ル尤此掟則中十一ヶ条目米領事異論申立同国ニ限リ第壱号掟則践行之事」
我慶応三卯年九月十八日 西洋一千八百六十七年十月五日 杉浦兵庫頭英米蘭葡孛瑞西仏嗹魯岡士ト第四号掟則取結ヒ候事
(朱書)「此分現今践行致シ居候得共約定本紙英孛領事記名ノ分ノミ存在其余ハ先年争擾之際散乱相成由尤米領事ハ前ノ如ク十一ヶ条目異論ニテ其他ハ践行候事」
我明治四未年二月廿八日 西洋一千八百七十一年 杉浦兵庫頭英魯仏米孛領事ト第五号港掟則取結ヒ候事
(朱書)「此分明治五年六月中各国領事異論申立結局第四号港掟則ニ戻リ践行之事」
○勝田税関長調査書類 一冊
  日露・日加貿易、港湾改良、税関設備等に関して第六代税関長勝田主計(明治三一・七・七—同三五・一一・二二)が作成した調査書類。
○函館税関沿革史 三冊
  刊本の浄書稿本。
(山口啓二・多田実・針生邦男・中藤靖之)


『東京大学史料編纂所報』第11号p.61