東京大学史料編纂所

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所報―刊行物紹介

大日本古記録 建内記 五

本冊には、前冊のあとをうけ、左記の部分を収めた。なお、( )内は、底本に用いた諸本である。
嘉吉元年十二月記及び同記紙背文書(宮内庁書陵部所蔵伏見宮本第十一巻、自筆)
嘉吉二年四月記及び同記紙背文書(同第十二巻、自筆)
嘉吉三年正月記(田中穰氏所蔵、自筆)
同 二月記及び同記紙背文書(宮内庁書陵部所蔵伏見宮本第十三巻、自筆)
同 三月記及び同記紙背文書(同第十四巻、自筆)
なお、嘉吉三年正月記は、嘉吉二年真名暦の裏に書かれたものであるが、虫損甚しく、判読しにくい部分が多く存する。
記主の万里小路時房が嘉吉二年四月に南都伝奏を拝任したため、南都関係記事が多くなるが、そのほか主なものに、加賀国守護職をめぐる富樫一族の内紛記事(嘉吉三年正月・二月)や、万里小路家領の率分所に関する記事、美濃大円寺悦林中怡が上洛し十刹の居公文を求めるかたわら、時房の末子阿古鶴丸を喝食に所望する記事などもみえている。
担当者 田中健夫・百瀬今朝雄・益田宗
(例言一頁、目次一頁、本文二四五頁、図版一葉、岩波書店発行)


『東京大学史料編纂所報』第7号p.42