琉球国警吏派出其他報告
　　　　　　　　　　御用人座書役
　　　　　　　　　　　　　　　葛西四郎太
　右者此節琉球江渡海被仰付候二階堂右八郎
　より書役一人並用達一人被召付度旨申出之
　趣有之騎馬御小姓与に相込右四郎太江用達
　兼務迄も申付可然申談其通申渡候尤唐本通
　事両人之内一人は上野泰助江申付御請申出
　候
　　但
　　　泰助儀長崎稽古御免伺通被
　　　仰出置候得共人物相応之者候付右通申
　　　渡候
一海老原宗之丞儀未た下着不致候間着之上被
　仰含越趣承知仕人数繰出旁都合能く取扱可
　致候左候て琉球古在番汾陽次郎衛門其外琉
　球登り舩（従来春秋両度の往来セリ）いまた着
　舩不致候然る処七月二日出帆同八日山川着
　舩沖永良部島登り舩頭為相糺候処琉球登り
　舩々夫々積入かたいたし舩仕廻等差急候趣
　於沖永良部島琉球行之ものともより承候得
　共六月中ハ登り順風無之右通七月初右舩頭
　出帆致し候時分も十分之順風にてハ無之少
　々風高く候得共同島之儀湊悪敷長滞舩不相
　調大島まてにても差越含にて致出帆候処存
　外順風にて右通早着致し候得共其後も相応
　之順風無之候に付折角登り風相待居るにて
　可有之段申出候尤其時分迄ハ又々琉球江異
　国舩等来着之風聞等承り候儀無之静謐之趣
　相聞得候由右に付てハ決て登り順風無之及
　遅着候節相聞得候間右旁為御納得此段御内
　用を以申越候条被達
　貴聞候儀ハ御考次第に候尚相替る儀ハ追々
　可申越候以上
　　辰八月三日　猪飼央
　　　　　　　　島津登
　　　　　　　　菱川安房
　　　　　　　　島津石見
　　　　　　　　島津主計
　　　調所笑左衛門殿
　　　赤松主水殿
右回答
　本文達
　貴聞候以上
　　辰八月廿九日