書状史料論のために
※このページは、科学研究費補助金(基盤研究(C))による研究「書状史料論の試み」(2010〜12年度)、「書状史料論の展開」(2017〜19年度)の成果を発信するためのものです。
この研究は、多様な中世文書のなかにあって、史料として利用することが相対的に困難だといえる書状および仮名消息について、史料として活用するための基盤を形成することを目的としています。
そのために、@文書群・史料群への注目、A特定の人物の書状への注目という両様のアプローチにより、書状を史料として活用するための方法論を鍛え、史料としての可能性を示したいと考えています。
あわせて書状(特に仮名消息)読解のための自習教材というべきものを作成・公開することで、書状の史料としての利用を広く促したいと思っています。
女房奉書を読んでみよう
1.『実隆公記紙背文書』(明応4年6月23〜26日裏)後土御門天皇女房奉書(第2紙闕)〔S0673-6-45〕
@文書の図版をプリントアウトしてください(→文書の図版)。
A両端の紙継目に注意して一紙の範囲の確認したうえで、文書の文字を鉛筆で模写してみてください(→模写例)。
なお、まんなかあたりの縦方向の筋目は、折本として利用した際の折り目の痕跡です(この折り目については、末柄「『実隆公記』と文書」〔五味文彦編『日記に中世を読む』所収〕を参照)。
B上の模写例に示した順序を参照しながら、くずし字辞典などを見ながら釈文を作成してみてください(→釈文例)。
2.『実隆公記』明応3年2月2日条:後土御門天皇女房奉書(第2紙闕)〔S0673-6-42〕
A模写例
B釈文例
3.『実隆公記紙背文書』(明応3年8月5日裏)後土御門天皇女房奉書(第2紙闕)〔S0673-6-43〕
A模写例
B釈文例
4.『実隆公記』明応5年12月24日条:後土御門天皇女房奉書〔S0673-6-52〕
5.『実隆公記』延徳2年12月28日条:後土御門天皇女房奉書〔S0673-6-34〕
6.『山科家断簡』2:後奈良天皇女房奉書〔S貴37-2〕
7.『山科家断簡』2:後奈良天皇女房奉書(折紙)〔S貴37-2〕
B釈文例
8.『山科家断簡』2:後奈良天皇女房奉書(折紙)〔S貴37-2〕
B釈文例