醍醐寺文書の番号と目録

 

醍醐寺文書には、醍醐寺文化財研究所の整理作業によって、函番号と、函ごとに文書番号が付されています。この分類番号(函番号と文書番号)が、文書を確認するもっとも基本的な情報となり、例えば「第100函1号」のように表されます。『大日本古文書 醍醐寺文書』も、原則としてこの番号の順に翻刻をしていますが、函を超えて一連の通し番号を付しており、本来の分類番号は記してはいません。なお、東京大学史料編纂所架蔵の写真帳も、原則としてこの分類番号の順に撮影されています。

 

 醍醐寺文書の分類番号と文書名を知るためには、まず、目録を見なければなりません。ただし、整理作業が続行中であるため、完全な形の目録は現在のところ存在しません。そこで、おおよその目録として、次の3種類のものを紹介します。

 

1 『醍醐寺文書記録聖教目録』 醍醐寺文化財研究所作成の手書き和綴じ本で、もっとも基本的な台帳となるもの。原本は醍醐寺に架蔵されているが、副本が東京大学史料編纂所にも架蔵され、同所の閲覧室で所定の手続きによって閲覧が可能である。現在第1函から第683函までが閲覧可能。『大日本史料』にもしばしばこの目録から奥書などが採られている。さらに作成続行中。

 

2 総本山醍醐寺編『醍醐寺叢書 目録篇 醍醐寺文書聖教目録』(勉誠出版) 市販の出版物で目録の決定版というべきもの。分類番号、史料名のほか、法量、料紙、書出、書止などが記される。現在第1巻(第1函〜第20函)、第2巻(第21函〜第40函)、第3巻(第41函〜第60函)、第4巻(第61函〜80函)、第6巻(第101函〜第130函)が刊行済み。順次刊行予定。

 

3 『醍醐寺の密教法会と建築空間に関する総合的研究』(科学研究費補助金 研究成果報告書、課題番号61300003、研究代表者 稲垣栄三) いわゆる科研の報告書で、大学図書館等で閲覧できる。函ごとの目録ではなく、第1函から第100函を中心とした編年目録。