東京大学史料編纂所

研究種目名 若手研究(A)
研究課題名 アジア地域史研究資源としてのポルトガル編年史料典籍とモンスーン文書の研究(26704007)
研究期間 2014年度~2018年
研究代表者 岡 美穂子
研究目的 自然災害、戦争、気候等の問題により、近代以前の史料の残存状況が良いとは言い難いアジア諸地域史の研究において、それらの地域を訪れたヨーロッパ人が書き残した記録は非常に有益な情報源である。ヨーロッパ勢力ではじめて本格的なアジア進出を果たしたポルトガル人の手で残された記録は、豊かな情報を有しながらも、本邦では存在すら知られていないものが多々ある。本研究では、広範囲なアジア史研究に有益なポルトガル語史料及び史書の歴史資源化を通じて、アジアの歴史像を新たな視点から描き出すことを目的とする。
研究実績の概要
  • 2016年度
  • 2015年度
  • 2014年度
【2016年度】
本年の研究では、研究成果公開に向けて、研究をまとめることを主軸に活 動をおこなった。和文の著書として『南蛮貿易とカステラ』(共著、株式会 社福砂屋、二〇一六年六月)、『大航海時代の日本人奴隷』(共著、中央公論 新社、二〇一七年四月)を刊行した。『南蛮貿易とカステラ』では、カステ ラを代表とする南蛮菓子が日本へ伝わった文化的・歴史的背景を考察し、ポ ルトガルにおいて中世から近世期の料理本の調査をおこない、日本のカステ ラの起源と思われる、従来の通説とは異なる菓子のレシピを発見した。この 発見は、読売新聞(二〇一七年三月二九日文化面、三月三〇日編集手帳)、 西日本新聞(二〇一七年五月六日)において報道され、全国的に広い認識を 得た。また『大航海時代の日本人奴隷』では、これまで知られていなかった メキシコ国家文書館・ポルトガル国立文書館のアジア・日本関係史料を中心 に分析を進め、個々の具体的な事例の欠乏に因り、これまで信憑性を疑われ てきた一六世紀ポルトガル人の日本における奴隷貿易の詳細を明らかにし た。このほかポルトガルで調査をおこない、国立考古学博物館において、こ れまで全く知られていなかった一六四〇年来日マカオ使節に関する、まと まった報告書を発見した。この報告書については現在分析を進めている。
備考