東京大学史料編纂所

研究種目名 若手研究(B)
研究課題名 中近世の外交遺産の蓄積と流通─入明記と大蔵経を軸として─(25770233)
研究期間 2013年度 ~ 2016年度
研究代表者 須田 牧子
研究目的 本研究は、中世対外関係の展開のなかで蓄積された外交遺産が、中近世を通じて、いかに受け継がれ流通していったかを解明し、中世後期対外関係が国内社会にいかなる影響をもたらしたのかを探っていくことを目的とするものである。具体的には、第一に、現実の対外関係の展開のなかで蓄積された書状類・備忘録・日記等の史料群を外交遺産ととらえ、その外交遺産がいかに引き継がれていったのかを検討することで日明関係に対する中近世期の関心のあり方を見通すとともに、現在日明関係史研究で使われている史料の裾野の拡張を目指す。第二に、外交知識ともいうべき前者に対し、モノとしての外交遺産の代表的なものである大蔵経の所在調査と現物調査を通じ、外交遺産がいかなる経歴をたどって今日まで残されたのかという視点から、中世後期対外関係の国内社会における影響を検討する。
研究実績の概要
  • 2016年度
  • 2015年度
  • 2014年度
  • 2013年度
【2016年度】
今年度においては、第一に「策彦入明記録及送行書画類」所収史料の一つ を解題を付して公刊した。またそれに際し同史料群について補足調査を行い、 原本情報に関わるデータを整えた。第二に「倭寇図巻」研究の成果をとりま とめ、論文集を刊行した。なお同書については中国語版の出版計画も進行中 である。第三に「前田玄以宛明国兵部箚付」について、国内ほか二箇所に所 蔵される同時期に発給された箚付二通との比較のもとに史料研究を行い学会 報告した。第四に、現存輸入大蔵経の調査を昨年に継続して行い、重要な知 見を得た。調査の継続を期すものである。第五に、京都の貴族の日記の翻刻 を行ない、時代に関わる基礎的史料研究を行った。
備考