東京大学史料編纂所

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研究種目名 基盤研究(B)
研究課題名 近世統一政権の成立と天下普請の展開―中近世移行期史料の研究資源化を通じて―(17K02382)
研究期間 2017年度~2020年度
研究代表者   及川 亘
研究目的  織豊政権を経て徳川政権に至って完成を見た近世の統一政権は、諸大名に軍役を課すことで武威による支配を貫徹したが、徳川氏の最終的な勝利で大規模な戦争がなくなった後でも、天下普請(公儀普請)という土木工事の形で軍役は課され続けた。本研究は、膨大に存在する諸大名家史料を中心として普請関係史料を横断的に調査・分析し、それらの研究資源化を通じて、戦国大名の普請から天下普請への展開を中近世移行期の政治過程に総合的に位置付け、併せて統一政権と大名の関係のみならず、大名家相互の関係や、各大名家内部における普請工事実施の具体像を、複合的に明らかにすることによって、天下普請の全体像を立体的に復元することを目的とする。
研究実績の概要
  • 2017年度
【2017年度】
 本年度は、公儀普請関連の史料蒐集と整理・分析のために、以下の①~④の活動を行った。
 ①史料調査:まず東北歴史博物館所蔵「石母田家文書」の調査・撮影を行った。仙台伊達家の重臣・石母田家は、5000点余りの近世前期の史料を残している。初期藩政史の研究の上でも重要なものであり、史料集も刊行されているが、読解や年次比定のためには原本調査が必須であり、今年度は全体の80%の撮影を行った。次に山口県文書館所蔵「毛利家文庫」の中から、公儀普請に関連する史料を調査した。これには文書・記録のみでなく絵図も含まれる。また松浦史料博物館では同館所蔵の大坂城普請関連の絵図を熟覧し、熊本市歴史文書資料室では慶長十五年名古屋城普請の関連史料を調査した。
 ②公儀普請関係史料目録:研究協力者の協力を得て、国立公文書館所蔵「蜂須賀家文書」、および刊本の『萩藩閥閲録』と『柳川市史 史料編Ⅴ』について、公儀普請関連の文書の抽出・目録化を行った。
 ③『梅津政景日記』のフルテキストデータベース化:近世初期の基本史料である『梅津政景日記』を東京大学史料編纂所の古記録フルテキストデータベースに搭載すべく、『大日本古記録』刊本のテキストデータを利用してテキストデータの加工を開始し、全9巻のうち第1巻の加工が終わった。
 ④研究会の開催:研究代表者・分担者を中心として研究会を開催し、及川亘「佐賀鍋島家家老『多久家文書』の慶長十五年尾張名古屋城普請関係史料」、立石了(研究協力者)「慶長期萩藩毛利氏における組編成」の両報告を得た。
備考