東京大学史料編纂所

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研究種目名 基盤研究(B)
研究課題名 日本中近世移行期の対外関係における連続と変容―遣明船を起点として―(16K16902)
研究期間 2016年度~2019年度
研究代表者  岡本 真
研究目的 本研究は、日本中近世移行期における、日本が明代中国へ派遣した船によ る遣明船貿易、海禁を破って海外へ繰り出した華人を中心におこなわれた倭 寇貿易、来航したポルトガル人ないしスペイン人商人による南蛮貿易、豊臣 秀吉や徳川家康らから朱印状の発給を受けて渡航した船による朱印船貿易 の、それぞれの関連を、遣明船の派遣を起点とした時間軸に沿いつつ、実証 的に追究することにある。
研究実績の概要
  • 2016年度
【2016年度】
 今年度は、貿易面における遣明船貿易から倭寇貿易・南蛮貿易・朱印船貿 易への連続性の、実証的検討に重点を置いた。特に、遣明船貿易と倭寇貿易 の両面を持つと考えられる、一六世紀半ばに明から到来した使節に呼応する 形で派遣された、大友氏や大内氏の遣明船について、詳細を究明した。また、 これまであまり言及されることのなかった、京都商人の、遣明船貿易・倭寇 貿易・南蛮貿易への参加実態を探った。
 本研究課題により遂行した具体的な活動は、四件の調査、二件の研究会参 加および報告、一点の活字媒体を用いた成果公表である。まず四月には、石 川武美記念図書館において、遣明船貿易と倭寇貿易の両面を持つ一六世紀半 ばの遣明船に搭乗したとされる、禅僧に関する史料を調査した。五月には、 京都大学で開催された『日明関係史研究入門』(村井章介ほか編、勉誠出版、 二〇一五年)の合評会に参加し、他の研究者との意見交換を通じて、本研究 の遂行に必要な情報を収集した。七月には、国際基督教大学で開催された、 日本アジア研究学会(Asian Studies Conference Japan, ASCJ)第一九回大 会に参加して研究報告を行ない、本研究の構想の一部を披瀝した。八月およ び一月には、京都において、遣明船およびそれに搭乗した貿易商人にかかわ る調査を実施した。三月には、イタリア国立ローマ中央図書館において、南 蛮貿易・朱印船貿易にかかわる、豊臣秀吉とスペイン領ルソンにいたフィリ ピン総督とのあいだで交わされた外交文書の写本を調査した。また、遣明船 研究の基礎史料に関する『天龍寺妙智院所蔵「入明略記」』(『東京大学史料 編纂所研究紀要』二七、二〇一七年、共著)を公表した。その他、上記の調 査等による成果は、学会報告や学会誌投稿を通じて、次年度以降に適宜公表 する予定である。
備考