東京大学史料編纂所

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研究種目名 基盤研究(B)
研究課題名 朱印船のアジア史的研究:一六~一七世紀、日本往来の「国書」と外交使節(16K03257)
研究期間 2016年度~2019年度
研究代表者  渡邉 正男
研究目的 裁判前後の地域社会の状況、裁判外の利害関係者・周辺地域社会の動向を も含む、紛争解決過程全体の具体的解明によって、非局所的法に基づく裁判 が地域社会の日常的秩序形成・維持構造において果たし得た役割の変化、非 局所的法と日常の行動規範との関連性の変化、すなわち一四世紀日本におけ る紛争解決過程の変容を実証的に明らかにすることが本研究の目的である。
研究実績の概要
  • 2016年度
【2016年度】
 本年度は、史料編纂所架蔵史料を中心として、一三世紀後半から一四世紀 を対象に、非局所的法に関連する裁判事例の集積を進めた。そして、集積し た事例のうち、一三世紀後半の紀伊国阿弖川荘に関する事例に注目し、検討 を行った。無年号・年欠のものを含めた関連史料を広く収集し、先行研究を 参照しつつ、これらの年代を再検討、確定することによって、裁判過程を従 来よりも正確に把握することができた。その結果、沙汰雑掌の推薦、任命、 裁判途中での更迭、さらには、沙汰雑掌が代理となって裁判を進めることに 対する当事者による拒絶など、紛争解決過程変容の前段階たる時期において、 非局所的法の担い手と目される沙汰雑掌がどのような存在であったかについ て、実証的に明らかにすることができた。
 また、史料編纂所未調査関連史料の調査として、白山比咩神社・石川県立 美術館・能登生國玉比古神社・三重県総合博物館・伊賀市史編さん室等にお いて史料の調査・撮影を行った。撮影史料のうち、所蔵者の許可を得られた ものについては、史料編纂所図書室から順次公開される予定である。
備考