東京大学史料編纂所

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研究種目名 基盤研究(B)
研究課題名 歴史資料としての湿板写真ガラス原板の調査と研究資源化の研究(16K02994)
研究期間 2016年度~2018年度
研究代表者  谷 昭佳
研究目的  歴史資料としての湿板写真の利活用をはかるためには、ある時点での事実 の直接痕跡といえる写真ネガ(原板)に残されている(イメージとしては写っ ていない)モノ情報をも含めたアーカイブが構築されなければならない。ガ ラス原板から知られる制作時の状況や製作者に関わる種々の物理的、化学的 情報などを丹念に掘り起こし記録することが、湿板写真ガラス原板がもつ高 精細画像の研究資源化を図るうえでの必須要件となる
研究実績の概要
  • 2016年度
【2016年度】
初年度は主に以下の 調査研究と成果の公表をおこなった。
①在外古写真の調査・収集
 フランス写真アーカイヴズ、ブランリ河岸博物館、フランス国立自然史博 物館が所蔵する日本関係古写真およびガラス原板の調査を実施。ナダールの スタジオで撮影された竹内遣欧使節団、池田遣欧使節団の湿板写真ガラス原 板、普仏戦争を観戦した大山巌や伊藤博文らのガラス乾板など、五二八件に ついてデジタル画像データを収集した。調査の実施にあたり、コレージュ・ド・ フランス日本学高等研究所の協力を得た。
②国内の湿板写真ガラス原板の調査・収集
 東京国立博物館所蔵湿板写真ガラス原板の調査と高精細デジタルカメラに よる撮影(三八二カット)を実施。対象としたのは、一八七二年の壬申検査 関係の湿板写真ガラス原板類や、ウィーン万博前後に国内で開催された博覧 会に関係する原板類である。
③その他の古写真資料の補足的調査・研究
 モーザーコレクションの調査・研究:アルフレッド・モーザー著、ペーター・ パンツァー監修、宮田奈奈訳『明治初期日本の原風景と謎の少年写真家―ミ ヒャエル・モーザーの「古写真アルバム」と世界旅行―』の編集に協力し、 解説を執筆した。
 国際研究集会の開催:ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A Museum, London)から、写真担当学芸員マルタ・ワイス氏(Dr Marta Weiss)を招 聘し、国際研究集会「Photography at the South Kensington Museum」を 開催した。
④成果の公表
 今年度の主な研究成果の公表は以下の通りである。
〔論考〕谷昭佳「歴史学と写真―史料編纂所写真室の開設―」『東京大学史料 編纂所附属画像史料解析センター通信』第七五号、二〇一六年一〇月/谷昭 佳「幕末期の写真史点描」東京都写真美術館編『知られざる日本写真開拓史』 山川出版社、二〇一七年三月/谷昭佳「ガラス乾板の史料学」久留島典子・ 高橋則英・山家浩樹編『文化財としてのガラス乾板 写真が紡ぎなおす歴史 像』勉誠出版、二〇一七年三月/保谷徹「京都博覧会と市田左右太のガラス 原板写真」『東京大学史料編纂所附属画像史料解析センター通信』第七三号、 二〇一六年四月
〔解説〕谷昭佳「写真史・写真技術研究の視点から」アルフレッド・モーザー 『明治初期日本の原風景と謎の少年写真家―ミヒャエル・モーザーの「古写 真アルバム」と世界旅行―』洋泉社、二〇一六年七月/保谷徹「幕末維新史 研究の視点から」アルフレッド・モーザー『明治初期日本の原風景と謎の少 年写真家―ミヒャエル・モーザーの「古写真アルバム」と世界旅行―』洋泉 社、二〇一六年七月
〔報告〕保谷徹「徳川宗家所蔵古写真コレクション調査報告」『徳川記念財団 会報』二七号、二〇一六年六月
備考