東京大学史料編纂所

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研究種目名 基盤研究(B)
研究課題名 室町幕府支配体制の展開過程とその変質に関する研究(15H06118)
研究期間 2015 ~ 2016年度
研究代表者  堀川 康史
研究目的 本研究は、室町幕府支配体制の展開過程を地域的差異に留意しながら多面 的に検討するとともに、その変質過程を分析することにより、室町幕府支配 体制の全体像の再構築を試みるものである。
研究実績の概要
  • 2016年度
  • 2015年度
【2016年度】
 二〇一六年度は、九州地方を対象に、室町幕府と「遠国」地域の関係につ いて研究を進めた。ここでは足利義満による有力大名弾圧の一環と理解され てきた九州探題今川了俊の解任について、年未詳史料の年代比定による政治 過程の復元という手法を用いて再検討を行った。その結果、義満の主導性を 強調する先行研究の理解を斥け、探題解任のきっかけが了俊の九州経営の崩 壊に求められることを明らかにするとともに、探題解任を室町幕府の「遠国 融和策」の起点に位置づけなおした。上記の成果は、「今川了俊の探題解任 と九州情勢」と題する論考にまとめ、『史学雑誌』一二五編一二号(二〇一 六年)に掲載された。
 上記の研究と並行して、今川了俊関係史料の研究を行った。まず、探題解 任直前・直後のものと考えられてきた遠江半国守護関係史料の年代比定の再 検討を行い、応永の乱における今川了俊の動向を示す史料と位置づけなおし た。この成果は、「京都召還後の今川了俊 ―遠江半国守護関係史料の再検 討―」と題する論文にまとめ、『日本歴史』への掲載が決定している。
 次に、渋川満頼探題期(一三九六~)のものとされてきた史料について、 今川了俊の探題解任に関する史料であることを明らかにするとともに、探題 解任の直接のきっかけとなった「応永初年の大友氏内訌」から今川了俊の京 都召還までの九州情勢をさらに具体的に検討・復元した。以上の研究により、 前掲拙稿で論じた探題解任に関する私見を補うことができたと考えている。
備考