和紙科研ホームページ

                                 保立道久研究室へ

和紙科研の趣旨

和紙科研の正式名称「和紙の物理的分別手法の確立と歴史学的データベース化の研究」
                  2008--2010 基盤研究(B)課題番号20300287

東京大学(史料編纂所及び農学生命科学研究科製紙科学研究室)と九州国立博物館および日本女子大学永村真研究室との連携研究によって、自然科学(製紙科学)的な立場から和紙の材質の研究を深め、歴史学および文化財科学の立場からの古文書・記録の分析をあわせて、歴史史料に使用された和紙の材質調査マニュアルとそれに対応した和紙材質記録システムを作成する。これらを通じて貴重な古和紙史料を文化資源として生かすためにも和紙の制作技法と保存科学の研究にも資したい。

具体的な目標

(1)楮紙の物理分類表を作成し、歴史学・製紙科学・文化財科学の間で共有する。

三大分類は、()繭紙(純繊維紙)、()糊紙(米糊添加紙)、()生漉紙(柔細胞多量紙)の三種類とし、その内部をさらに細分類する。

(2)各細分類毎に、厚さ・密度・色彩・抄紙痕跡などの各基本物性値を確定する。

その際、時代的相違、分類の境界例に十分に注意し、古文書学との接続をはかる。

(3)和紙分析のための良質な典型画像を撮影し、非破壊観察の手法を共有する。

カラー・透過光・顕微鏡(反射光・透過光)などごとに撮影方式を検討する。

(4)これらの情報を確認しながら和紙の修復を行うための諸問題を検討する。

この点で、東京大学史料編纂所修復室・東京大学農学生命科学研究科製紙科学研究室と連携する。


なお、本ホームページは研究過程における情報を公開し、議論の素材としているという趣旨のものです。
そのいちいちについては、確定した結論ではないことについて、御理解をたまわり、そのような情報としてご覧いただく用意御願いします。

分類原則

東大寺文書の修復、その諸データ (東京大学文学部日本史研究室所蔵)

  ・修復の経過 その1


復原紙作成実験(美濃市蕨生の長谷川和紙工房とのコラボレーション)

王子製紙株式会社のご協力により撮影した光学顕微鏡画像(@生漉紙

論文・レジュメなど

2008年度実績報告(作成中)